研究実績の概要 |
頭頸部癌細胞株を用いて、上皮間葉移行におけるmicroRNA200familyの役割について検討した。 ①頭頸部癌細胞株におけるE-Cadherin、ZEB1、ZEB2遺伝子の発現量検討;頭頸部癌細胞株(UTSCC series)の内9/13株では、基準株としたUTSCC60Aと比較してE-Cadherinの発現が高くZEB1、ZEB2遺伝子の発現は低下していた。残りの3株ではE-Cadherinの発現は低く、ZEB1、ZEB2遺伝子の発現が高かった。②頭頸部癌細胞株におけるE-Cadherin、ZEB1、ZEB2遺伝子の発現とmicroRNA200c/141の発現検討;E-CadherinとmicroRNA141及びmicroRNA200cの発現には正の相関関係を認めた。一方、ZEB1,ZEB2とmicroRNA141及びmicroRNA200cの発現には負の相関関係を認めた。③microRNA141/200cのトランスフェクションによるE-Cadherin、ZEB1、ZEB2の発現変化検討;UTSCC24A、UTSCC24BへのmicroRNA141/200c Precursorのトランスフェクションにて、ZEB1の発現は低下し、E-Cadherinの発現が亢進した。ZEB2の発現には変化を認めなかった。④microRNA141/200cのトランスフェクションによる頭頸部癌細胞株の細胞運動能、浸潤能、増殖能変化;UTSCC24BへのmicroRNA141/200c Precursorのトランスフェクションにて、wound healing 、migrationは低下し細胞の運動能低下を認めたが、浸潤能、増殖能に関しては変化を認めなかった。⑤頭頸部癌細胞株におけるZEB1、ZEB2遺伝子のメチル化検討;UTSCC60A、UTSCC60Bに脱メチル化処理を行うことでZEB1、ZEB2の発現は著明に亢進したが、microRNA141/200cは変化を認めなかった。
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