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2012 年度 実施状況報告書

鼻・副鼻腔粘膜のmicrobiome解析

研究課題

研究課題/領域番号 24791808
研究種目

若手研究(B)

研究機関昭和大学

研究代表者

渡邊 荘  昭和大学, 医学部, 講師 (20439491)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード副鼻腔炎 / microbiome / 微生物
研究概要

慢性副鼻腔炎は鼻閉・鼻漏・後鼻漏などの症状が続き、しばしばそれらによって患者の生活の質(Quality of Life)を損ねることもある疾患である。鼻・副鼻腔粘膜における炎症性細胞やそれらが産生する炎症性サイトカイン・ケモカインの関わりや治療として使われる抗菌薬・抗アレルギー薬・副腎皮質ステロイド薬の役割について申請者らはこれまで明らかにしてきた。今回申請する研究では、副鼻腔粘膜におけるmicrobiomeに関し、副鼻腔炎と健常者における差を検討し、疾患の早期発見への手掛かりを探ることを目的とする。
平成24年度は慢性副鼻腔炎患者および健常者の中鼻道自然口ルートを綿棒で擦過して検体を採取し、従来のシーケンス法を用いて検体に含まれる細菌種を同定、microbiome の比較を行う予定であった。研究代表者が勤務する昭和大学病院での副鼻腔手術は年間約200件以上あり、その中から鼻茸合併例6例、非合併例6例を対象に患者からの検体採取を行うことを予定していた。症例数が豊富なため予定された検体数を得ることは困難なことではないと想定されていた。また、検体処理に関しても研究代表者がこれまでシカゴ大学において数百名の副鼻腔炎患者および健常者から綿棒で検体を採取しDNA 抽出に始まる一連の研究を行ってきており、実験によるトラブルは少ないものと見込まれていた。
研究代表者はまず昭和大学医の倫理委員会に研究計画を申請し、承認後に研究に必要な物品を購入、検体の採取にとりかかった。採取された検体からDNAを抽出し、16s rRNA が検出されることをPCRにて確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度は慢性副鼻腔炎患者および健常者の中鼻道自然口ルートを綿棒で擦過して検体を採取し、従来のシーケンス法を用いて検体に含まれる細菌種を同定、microbiome の比較を行う予定であった。研究代表者が勤務する昭和大学病院での副鼻腔手術は年間約200件以上あり、その中から鼻茸合併例6例、非合併例6例を対象に患者からの検体採取を行うことを予定していた。症例数が豊富なため予定された検体数を得ることは困難なことではないと想定されていた。また、検体処理に関しても研究代表者がこれまでシカゴ大学において数百名の副鼻腔炎患者および健常者から綿棒で検体を採取しDNA 抽出に始まる一連の研究を行ってきており、実験によるトラブルは少ないものと見込まれていた。
研究代表者はまず昭和大学医の倫理委員会に研究計画を申請し、承認後に研究に必要な物品を購入、検体の採取にとりかかった。採取された検体からDNAを抽出し、16s rRNA が検出されることをPCRにて確認した。
通常の臨床業務と学会関係の活動などに時間がとられ、当初予定していたダイレクトシーケンスまで行うことが出来なかった。また、当初予定していた副鼻腔炎患者12例のうち、実際に採取できたのは8例にとどまり、また健常者についても当初8人を予定していたが実際には6人しか採取できていない。次年度の初めのうちに残りの検体採取を急ぐ予定である。

今後の研究の推進方策

まず平成24年度に達成できなかった検体採取を速やかに行い、PRISM 3100 Genetic Analyzer (ABI)を用いてダイレクトシーケンスを行う。データベース上でBLAST 検索を行い、得られた検体ごとの微生物リストを作成する。
平成25年度は前年度に得られたDNA を用いて次世代シーケンスを行う。454 FLX もしくはillumina と呼ばれる次世代シーケンス機器を用いて検体に含まれる遺伝子の塩基配列を決定し、微生物種の同定を行う。従来のシーケンス法によって得られたデータよりも遥かに多い微生物種の同定が可能だと考えている。得られた結果から、健常者と副鼻腔炎患者でmicrobiome に違いがあるのか、そして次世代シーケンスと従来のシーケンスでは同定できた微生物種にどれだけの差があるのか、統計処理を行って検討する。また、検体の不良、あるいはDNA精製においての不具合などで解析に加えられなかった検体数を補うために検体を採取する。

次年度の研究費の使用計画

ダイレクトシーケンスおよび次世代シーケンスのために残りの研究費の大半が用いられる予定。また、必要な消耗品および情報交換や学会で研究成果を公表するために必要な出張経費、および論文発表の際の諸経費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Rhinosinusitis and asthma-microbiome and new perspectives2013

    • 著者名/発表者名
      Suzaki H, Watanabe S, Pawankar R
    • 雑誌名

      Curr Opin Allergy Clin Immunol

      巻: 13 ページ: 45~49

    • DOI

      doi: 10.1097/ACI.0b013e32835b34f6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Peripheral blood and tissue T regulatory cells in chronic rhinosinusitis2012

    • 著者名/発表者名
      Sharma S, Watanabe S, Sivam A, Wang J, Neuwirth SJ, Perez RI, De Tineo M, Baroody FM, Naclerio RM, Pinto JM
    • 雑誌名

      Am J Rhinol Allergy

      巻: 26 ページ: 371~379

    • DOI

      doi: 10.2500/ajra.2012.26.3800

    • 査読あり
  • [学会発表] 慢性副鼻腔炎患者に対するビタミンD投与についての検討2012

    • 著者名/発表者名
      渡邊荘 洲崎春海
    • 学会等名
      第51回日本鼻科学会学術講演会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20120927-20120929
  • [学会発表] Effect of Vitamin D on inflammatory molecules in patients with chronic rhinosinusitis2012

    • 著者名/発表者名
      So Watanabe, Robert M Naclerio, Jayant M Pinto, Harumi Suzaki
    • 学会等名
      24th Congress of the European Rhinologic Society & 31st International Symposium on Infection and Allergy of the Nose
    • 発表場所
      Toulouse, France
    • 年月日
      20120617-20120621
  • [学会発表] New Findings of Rhinosinusitis2012

    • 著者名/発表者名
      So Watanabe
    • 学会等名
      15th Asian Research Symposium in Rhinology
    • 発表場所
      Singapore
    • 年月日
      20120524-20120526
    • 招待講演
  • [学会発表] Can Vitamin D modulate immune defense molecules in patients with chronic rhinosinusitis ?2012

    • 著者名/発表者名
      So Watanabe, Robert M Naclerio, Jayant M Pinto, Harumi Suzaki
    • 学会等名
      14th Japan-Korea Joint Meeting of Otorhinolaryngology-Head and Neck Surgery
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20120412-20120414

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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