慢性副鼻腔炎および術後性嚢胞に対する術後の骨増成および副鼻腔に対する影響について検討を行った。 慢性副鼻腔炎でも感染型(真菌を含む)の副鼻腔炎では骨増成が著明であり、好酸球性副鼻腔炎においても術後は部位によっては骨増成を認めた。 嚢胞に対する手術の際に、骨の露出した部分を粘骨膜で覆うことで骨増成は抑えられ、術後成績に寄与した。これらのことから、粘骨膜が骨増成に何らかの機序を持って調整を行っていることが推察された。 近年骨の免疫応答について、osteoimunologyといった新しい分野が形成されつつあるが、慢性副鼻腔炎についても骨の免疫応答が関与していることが示唆された。
|