慢性副鼻腔炎と嚢胞疾患は薬物療法と手術の発展により良好な治療効果が得られるようになってきた一方で、近年治療抵抗性を示す難治性も認められる。因子の一つとして考えられる慢性副鼻腔炎や嚢胞疾患における骨組織と粘膜との相互作用(免疫応答)について検討を行った。 慢性副鼻腔炎症例において骨病変を認める症例が相当数認められ、特に術後再手術例において多く認められた。歯性上顎洞炎などの症例ではほとんどの症例に骨病変を認め、術後画像的な所見が残存した。術後性上顎嚢胞において骨肥厚と治療成績との関連性が認められた。骨病変と粘膜は何らかの形で影響を及ぼしていることが推測された。
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