オーディトリー・ニューロパチー(ANSD)とは、外有毛細胞は正常だが聴性脳幹反応がない難聴の総称である。本研究では、ANSDの特徴を示すOTOF遺伝子欠損マウス(OTOF-/-)の蝸牛神経節において免疫染色による細胞種別の数の統計を行い、正常マウスとの比較を行った。 OTOF-/-の求心性の1型神経細胞は、正常マウスと比べて生後7日以降のアポトーシスによる顕著な減少が観られ、12週齢では50%以上まで減少したが、遠心性の2型神経細胞では減少が観られなかった。 外有毛細胞は主に遠心性神経の投射を受けていることから、本研究成果はANSDの定義に則し、ANSDの病態モデルとして有用であることが解った。
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