研究課題
本研究は頭頸部癌におけるautophagy (自己消化)と抗原提示のメカニズムの間の関係を解明し、それを新たな癌ワクチン療法/免疫療法の開発へとつなげる研究として申請、開始された。平成26年度は3年間の研究期間の最終年度であり、得られたデータの解析と学会・論文発表として結実した。代表研究者は74例の舌癌患者検体において、autophagyのマーカー・関連蛋白であるLC3、Beclin-1、p62/SQSTM1、さらには抗原提示分子HLA class I/IIの、癌組織の中心部/辺縁部における発現を免疫染色で評価した。同時に癌組織に浸潤するTリンパ球・樹状細胞・NK細胞も評価した。LC3とp62の癌細胞 (特に腫瘍辺縁部において)における発現はT細胞浸潤に有意に相関し、p62とBeclin-1発現はHLA class I/II発現と有意に関係した。またLC3発現は不良な予後と相関した。頭頸部癌組織におけるautophagyと、浸潤する免疫細胞による免疫応答が密接に関与していることを明らかにし、日本耳鼻咽喉科学会・日本頭頸部癌学会や米国癌学会・米国頭頸部癌学会で発表し、またCancer Science誌に掲載された。引き続き本研究を継続している。また頭頸部癌におけるLAT1や関連分子の発現の検討、cancer stem cellsの治療的アプローチと免疫原性の変化の研究、さらには骨髄由来抑制性細胞 (MDSC)の免疫抑制能などの研究も行い、論文発表している。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
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