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2012 年度 実施状況報告書

翼状片におけるリンパ管新生因子VEGF-Cとその受容体システムの制御

研究課題

研究課題/領域番号 24791824
研究種目

若手研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

大口 剛司  北海道大学, 大学病院, 助教 (70579599)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードVEGF-C / 翼状片
研究概要

本研究では、翼状片組織と健常結膜組織におけるVEGF-Cとその受容体であるVEGF-R3の発現について病理学的検討をすることを目的とした。VEGF-CとVEGF-R3の発現局在を明らかにすることにより、それらを標的とした新たな治療戦略につながる可能性がある。我々は 、翼状片組織と健常結膜組織のリンパ管密度lymphatic vessel density(LVD)と血管密度blood vessel density(BVD)をそれぞれのマーカーであるD2-40とCD31を免疫染色し、同定した。結果として、翼状片において、正常結膜と比較し有意にLVDおよびBVDが高値を示すことが判明した。ヒト翼状片および正常結膜の総蛋白を抽出し、ウエスタンブロット法にて、VEGF-CおよびVEGFーR3について発現解析をおこなったところ、正常結膜に比較し、翼状片において、両者が高発現していることが判明した。ヒト翼状片および正常結膜の病理組織を用いて、VEGF-CおよびVEGF-R3の免疫組織化学的検討を行った。VEGF-Cは翼状片および正常結膜の上皮細胞の細胞質に発現していた。加えて、間質に浸潤するCD68陽性マクロファージにも発現がみられた。その上皮細胞における発現率は、正常結膜に比較し、翼状片において有意に高値であった。一方、VEGF-R3は間質のD2-40陽性リンパ管に発現していることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト翼状片および正常結膜の組織検体の収集は順調に行われている。加えて、抗体の特異性も良好であり、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

翼状片のVEGF-Cの発現制御機構について、解析を進める。過去の他の組織における報告では、VEGF-Cはシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を介して、その発現が誘導される。COX-2は炎症に関与する酵素であり、炎症によって翼状片におけるVEGF-Cの発現が惹起されている可能性がある。そこで、ストレス下の結膜上皮細胞を用いて、炎症性サイトカインを添加し、培養上清中にVEGF-Cの発現が誘導されるか、確認する。ヒト組織においても、炎症細胞浸潤とVEGF-Cの陽性率とを比較する予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度に実施する計画のうち、実験用小動物、薬剤などの消耗品に充てる

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Expression of vascular endothelial growth factor C in human pterygium.2013

    • 著者名/発表者名
      Fukuhara J, Kase S, Ohashi T, Ando R, Dong Z, Noda K, Ohguchi T, Kanda A, Ishida S.
    • 雑誌名

      Histochem Cell Biol

      巻: 139 ページ: 381-389

    • DOI

      10.1007/s00418-012-1019-z.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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