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2013 年度 実施状況報告書

翼状片におけるリンパ管新生因子VEGF-Cとその受容体システムの制御

研究課題

研究課題/領域番号 24791824
研究機関北海道大学

研究代表者

大口 剛司  北海道大学, 大学病院, 助教 (70579599)

キーワードVEGF-C / 翼状片
研究概要

本研究では、翼状片組織と健常結膜組織におけるVEGF-Cとその受容体であるVEGF-R3の発現について病理学的検討をすることを目的とした。VEGF-CとVEGF-R3の発現局在を明らかにすることにより、それらを標的とした新たな治療戦略につながる可能性がある。我々は、翼状片組織と健常結膜組織のリンパ管密度lymphatic vessel density(LVD)と血管密度blood vessel density(BVD)をそれぞれのマーカーであるD2-40とCD31を免疫染色し、同定した。結果として、翼状片において、正常結膜と比較し有意にLVDおよびBVDが高値を示すことが判明した。ヒト翼状片および正常結膜の総蛋白を抽出し、ウエスタンプロット法にて、VEGF-CおよびVEGF-R3について発現解析をおこなったところ、正常結膜に比較し、翼状片において、両者が高発現していることが判明した。ヒト翼状片および正常結膜の病理組織を用いて、VEGF-CおよびVEGF-R3の免疫組織科学的検討を行った。VEGF-Cは翼状片および正常結膜上皮細胞の細胞質に発現していた。加えて、問質に浸透するCD68陽性マクロファージにも発現がみられた。その上皮細胞における発現率は、正常結膜に比較し、翼状片において有意に高値であった。一方、VEGF-Rは問質のD2-40陽性リンパ管に発現していることが判明した。さらに、結膜上皮細胞にインターロイキン1βを投与すると、VEGF-Cの分泌が誘導された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

翼状片組織の収集、およびヒトリンパ管細胞の管理が順調に進んだため。

今後の研究の推進方策

今後は、結膜上皮細胞および翼状片において、VEGF-Cの発現制御機構の解明を進める予定である。培養結膜上皮細胞にインターロイキン1βやTNF αを種々の濃度で投与し、濃度依存性にVEGF-Cの発現が誘導されるか検討する。

次年度の研究費の使用計画

結膜上皮細胞へのインターロイキン1βを投与、TNFαの投与によるVEGF-Cの発現誘導の解析をするため。
培養結膜上皮細胞の購入、VEGF-C ELISAキットの購入、インターロイキン1β、TNFα製剤の購入費

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Expression of vascular endothelial growth factor C in human pterygium2013

    • 著者名/発表者名
      Fukuhara J1, Kase S, Ohashi T, Ando R, Dong Z, Noda K, Ohguchi T, Kanda A, Ishida S.
    • 雑誌名

      Histochem Cell Biol

      巻: 139 ページ: 381-389

    • DOI

      10.1007/s00418-012-1019-z

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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