研究課題/領域番号 |
24791825
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹本 裕子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (20443939)
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キーワード | VAP-1 / 実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎 |
研究概要 |
研究実施計画に則り、ヒト内因性ぶどう膜炎モデルである実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(EAU)を惹起し、VAP-1 阻害薬を投与した。 しかし、ぶどう膜網膜炎の重症度が非投与群でも安定しなかった。調査の結果、以前安定的に用いていた生産者による B10.BR マウスの生産が中止されており、他の生産者による別の系統が販売されていた。 そこで改めてマウスを C57/BL6に変更して同様の実験を行った。ぶどう膜網膜炎は安定的に惹起されるようになった。VAP-1 阻害薬投与により、21日目(炎症極期)の組織学的重症度、臨床的重症度はともに軽症化する回としない回がみられた。臨床的重症度の途中経過をみると、10日目で薬剤投与群が 0.7、非投与群が 3.1、14日目で薬剤投与群が 1.3、非投与群が 3.1 といずれも薬剤投与群で有意に軽症化していた(P<0.01, P<0.05)。 VAP-1阻害薬は最高重症度には影響しないが発症速度を遅くする可能性もあり、再現性の確認を進めるとともに培養細胞での効果を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの生産中止により当初予定した系統のマウスでは実験結果が安定しなかったが、系統を変更して対応した。現在はぶどう膜網膜炎が安定して惹起されている。しかし、薬剤の効果は顕著な回もあるが、有意差がみられない回がある。そのため、培養細胞での実験での分子機序解明を並行して進めている。
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今後の研究の推進方策 |
マウスは今後 C57/BL6 を用いることとし、まずは複数回の実験を同じ条件下で試行して再現性を確認する。 再現性が確認できた段階で、抗原特異的T細胞増殖反応、炎症性サイトカイン等の検討へと段階を進める。具体的には接着分子P-selectin、E-selectin、intercellular adhesion molecule (ICAM)-1や炎症性サイトカインである TNF-α、IL-17などを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験用小動物を用いた実験がやや遅れ、並行して行う培養細胞実験を先行させたために消耗品費が予定より若干少なくなった。 それにともない、成果発表を意図した旅費等も支出しなかった。 引き続き実験用小動物、薬剤、抗原ペプチドなど消耗品が主体である。 次年度は動物実験の再加速、情報収集、成果発表等を予定している。
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