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2012 年度 実施状況報告書

新たな網膜循環調節因子と網膜症治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24791828
研究機関旭川医科大学

研究代表者

大前 恒明  旭川医科大学, 大学病院, 医員 (30451470)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード糖尿病網膜症
研究概要

平成24年度の研究により、以下の成果を得た。
1) 脂肪細胞から分泌されるサイトカインであるアディポネクチンの血中濃度の低下と糖尿病網膜症の重症度と関連があるとういう報告があるが、アディポネクチンの網膜血管の直接作用について、詳しく検討されていなかった。そこで今回われわれは、ブタの網膜摘出血管を用いたin vitro実験により、アディポネクチンが濃度依存性に血管拡張作用させることを確認できた。さらにこの血管拡張は、一酸化窒素(NO)合成阻害薬や血管内皮剥離により有意に同程度抑制されたことから、この血管拡張は、内皮から産生されたNOが関与していることが考えられた。
2) アディポネクチンは、アディポネクチン受容体を介し、さまざまな生理作用を有する事から、アディポネクチンだけでなくアディポネクチン受容体も網膜症の病態に関与しているものと考えられる。しかし、網膜血管においてアディポネクチン受容体の存在が確認されていなく、今回、免疫染色にてブタ網膜血管の内皮にアディポネクチン受容体が存在することを確認した。
以上の結果と網膜症早期に網膜血流が低下しているという報告(Nagaoka T et al., Invest Ophthalmol Vis Sci. 2010 Dec;51(12):6729-34.)から、網膜症早期において、アディポネクチン濃度を上昇させる薬剤などによる適切な介入により、糖尿病網膜症の発症・進展を予防できる可能性が示唆された、平成25年度の研究により、新しい糖尿病網膜症治療法の開発につなげたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は、主に、基礎研究をすすめた。
結果の内容にかかわらず、多くの基礎研究を平成24年度内に行えたと考えている。

今後の研究の推進方策

基礎研究で得られた結果をもとに、臨床研究を行う予定。
アディポネクチンの血中濃度と網膜血流の研究を、健常者をはじめ糖尿病患者で検討する。
また、アディポネクチンの血中濃度を上昇させる薬剤などが、網膜血流にどのような影響を与えるかも検討する。

次年度の研究費の使用計画

薬品購入費、論文校正料、論文掲載料、学会発表

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Homocysteine Inhibition of Endothelium-Dependent Nitric Oxide-Mediated Dilation of Porcine Retinal Arterioles via Enhanced Superoxide Production2013

    • 著者名/発表者名
      Omae T, Nagaoka T, et al.
    • 雑誌名

      Invest Ophthalmol Vis Sci

      巻: 54 ページ: 2288-2295

    • DOI

      10.1167/iovs.12-11082.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fenofibrate, an anti-dyslipidemia drug, elicits the dilation of isolated porcine retinal arterioles: role of nitric oxide and AMP-activated protein kinase.2012

    • 著者名/発表者名
      Omae T, Nagaoka T, et al.
    • 雑誌名

      Invest Ophthalmol Vis Sci

      巻: 53 ページ: 2880-2886

    • DOI

      10.1167/iovs.11-8841.

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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