網膜硝子体手術支援システムにおいて、硝子体カッターを取り付けた本システムを生体ウサギ眼内に導入し、硝子体茎離断術を施行、周辺部まで硝子体を除去した。本システムの顕微鏡には録画装置も設置されているため、この操作を録画することで、可動域が十分であることを確認した。 次の課題として、ケナコルトを後極部に塗布した後、後部硝子体剥離を施行した。後部硝子体剥離の手技も網膜硝子体手術において欠かせないため、施行上問題がないかよく確認した。 次に、生体ウサギ眼球内での内境界膜(ILM)剥離術のマニュアル操作による技術的確立を試みた。現在手術具として入手可能な25G眼内照明と硝子体カッター、硝子体可視化のためのステロイド剤(ケナコルト)を用いて硝子体切除を行った。次にインドシアニングリーンによりILMを可視化して25G鉗子によりILM剥離を試みた。予備実験では、ウサギのILMはヒトと異なった性状で、もろく、膜状に剥離することは容易ではないことが分かっているので、経験を蓄積して安定的な手技の確立を図っている。 次に、ロボット支援システムを用いて生体ウサギ眼球内で手術操作を行う実験では、ヒトの手術の場合に用いる術具と同じものを使用する。その際に課題となるのが、種々の術具のグリップ形状や開閉操作に対応し、しかもそれらの術具を素早く持ち替える必要性である。25Gの眼内照明、硝子体カッター、鉗子、剪刀、バックフラッシュニードル等についてマニピュレータの先端部の開発を行った。
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