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2013 年度 実績報告書

遺伝子改変マウスを用いた網膜変性モデルの作製

研究課題

研究課題/領域番号 24791840
研究機関東京大学

研究代表者

高祖 秀登  東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (50612876)

キーワード網膜変性 / モデルマウス
研究概要

網膜色素変性や加齢黄斑変性などの網膜変性疾患で共通して認めるのが、杆体視細胞の変性である。杆体視細胞の変性に伴う病態を詳しく解析するために、さまざまなモデルマウスが作られて来たが、成体網膜で任意のタイミングで杆体視細胞の変性を誘導できるモデルは限られていた。本研究では遺伝子改変マウスを用いて、誘導型の杆体視細胞変性モデルを作成した。杆体視細胞特異的に誘導型Cre組換え酵素を発現する遺伝子組換えマウスを用いて、タモキシフェン投与依存的に杆体視細胞でジフテリア毒素の発現を誘導した。その結果、投与1ヶ月後には杆体視細胞の約半分が消失し、網膜電図でも杆体視細胞の変性に一致する所見が得られた。マウスの健康状態は著変ないことから、ジフテリア毒素の発現漏れの影響は少ないと考えられ、杆体視細胞特異的に変性を誘導できることが示された。
視細胞変性のさまざまなモデルマウスで共通して認めるのが、グリア細胞の活性化である。視細胞の変性により、ミュラーグリア細胞のリアクティブな変化と、ミクログリアのアメーバ状の形態変化、および網膜下腔への侵入が起こることが分かっているが、どのようなメカニズムでグリア細胞の活性化が誘導されるのかは良く分かっていない。私たちが作製したモデルマウスでも、タモキシフェン投与1週間後に、同様のグリア細胞の活性化を認めた。タモキシフェン投与直後には組織学的な変化を認めないが、RNA-seqによる網羅的な遺伝子発現解析から、遺伝子発現レベルではすでに変化が始まっていることが分かった。これらの遺伝子の中に、グリア細胞活性化のスイッチを入れるような分子が含まれていると考えられるため、その役割の解明が今後の課題である。以上から、本研究で作成した新規モデルマウスは、杆体視細胞変性による網膜グリア細胞の応答を解析する上で、有用なツールになると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Profiling of microRNA in human and mouse ES and iPS cells reveals overlapping but distinct microRNA expression patterns.2013

    • 著者名/発表者名
      Razak SR, Ueno K, Takayama N, Nariai N, Nagasaki M, Saito R, Koso H, Lai CY, Murakami M, Tsuji K, Michiue T, Nakauchi H, Otsu M, Watanabe S.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e73532

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0073532

    • 査読あり
  • [備考] 研究室のホームページ(研究内容が記載)

    • URL

      http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/moldev/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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