研究課題
先天性白内障家系のうち男性が精神遅滞を伴う家系において原因遺伝子探索、新規原因遺伝子単離を目的に本年度も家系内遺伝学的解析を続行した。前年度エキソーム解析での候補遺伝子の絞り込み、また家系内の他罹患者2名で候補遺伝子の塩基置換の確認を行い、MAF遺伝子の一塩基置換を同定した。同定された塩基置換はデータベースに登録されていない新規塩基置換であったため、同部位について健常日本人100名200アリルにおいて同塩基置換の有無を検索し、集団内に変異を同定しなかった。以上より、家系で同定された遺伝子変異を病的意義のある変異と同定した。続いて本家系内での結果を基に、MAF遺伝子変異報告例の臨床像の解析を行った。家族性白内障を呈し、MAF遺伝子変異が同定された5家系について本家系を含めて検討および解析を行ったところ、MAF遺伝子変異を有する先天性白内障では、白内障症状の他にコロボーマ、小角膜の他の眼合併症を伴っていること、家族間の表現型に差異があることが明らかとなり、本遺伝子変異による表現型の一端が明らかになった。また、本研究では、原因遺伝子が複数ある遺伝学的異質性の高い本症における原因遺伝子解析に対して全エキソーム解析の有用性が示された。本年度はさらなる先天性白内家系例および孤発例の解析を目指し、所属施設を中心として新規研究協力者および検体収集を試みたが、新規研究協力者および検体協力は得られなかった。
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American Journal of Medical Genetics Part A
巻: 9999 ページ: 1-5
10.1002/ajmg.a.36433