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2012 年度 実施状況報告書

VCP阻害剤による網膜色素変性症に対する治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24791850
研究機関京都大学

研究代表者

池田 華子  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20372162)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード神経保護 / 網膜色素変性
研究概要

1)視細胞保護効果を持つVCP阻害剤の特定:緑内障モデルマウスで、神経節細胞保護効果の確認できた薬剤を中心に、新規合成VCP阻害剤のうち、視細胞に対して保護効果のある薬剤を特定する。まずは、マウス網膜の組織培養あるいは、器官培養において、各VCP阻害剤の有無で、視細胞の生存率を比較する事によって、視細胞に対してより大きな保護作用を持つ薬剤を決定した。
2)光干渉断層計を用いた、マウス・ウサギ視細胞の経時変化の検出法確立:網膜視細胞に保護作用をもつ薬剤を、マウス・ウサギモデルに投与するにあたって、同一個体での、視細胞の経時変化を見ることは、大変重要である。光干渉断層計を用い、マウス・ウサギで外顆粒層や視細胞の外節・内節接合部が描写されるかを確認できることを確認した。また、網膜色素変性症モデルマウス・モデルウサギを用いて、視細胞層の菲薄化の経時変化を、画像としてとらえられることを確認した。
3)網膜色素変性症モデルマウスでの薬剤効果の判定:視細胞保護効果の確認できた薬剤について、網膜色素変性症モデルマウスへ投与し、視細胞の障害を抑制できるかを確認した。網膜色素変性症モデルマウスとしては、まずはrd1やrd10など、比較的視細胞変性が早いモデルを使用した。薬剤を生後7日齢より毎日腹腔内投与し、生後21,25,29,33日齢にて光干渉断層検査を行い、視細胞層をはじめ、網膜各層の経時変化を追うとともに、網膜電図検査にて視機能を評価した。視細胞層の厚みおよび視機能の両面から、コントロール生食投与群と比較してVCP阻害剤投与群で視細胞の障害が抑制されていることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度に予定していた実験はほぼ遂行できた。実験結果が徐々にまとまりつつある。

今後の研究の推進方策

4)遅発性網膜色素変性症モデルマウスでの薬剤効果の判定:引き続き、視細胞変性が緩徐におこる網膜色素変性症モデルであるrd12に薬剤投与を試み、光干渉断層計にて、視細胞の減少抑制効果があるか、長期経過を見る。視機能に関しては、同様に、網膜電図検査にて検討する。rd12マウスでは、視細胞の変性に約1年程度かかるため、薬剤投与は前年度から行う。
5)網膜色素変性症モデルウサギへの薬剤投与:網膜色素変性症モデルである変異ロドプシンのトランスジェニックウサギ1)に薬剤投与を試みる。薬剤は経口投与および硝子体内投与を試みる。変性には数カ月を要すとされることから、2,3,4カ月齢にて、光干渉断層計を用い、視細胞の減少抑制効果があるか、経過を見る。視機能に関しては、同様に、網膜電図検査にて検討する。
6)薬剤投与方法、投与量の検討:効き目のある薬剤が存在する場合、その投与法(経口、硝子体注射、点眼)、最適な投与量を検討するとともに、副作用などが起こらないかを検討する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Real-Time Imaging of Rabbit Retina with Retinal Degeneration by using Spectral-Domain Optical Coherence Tomography.2012

    • 著者名/発表者名
      Muraoka Y, Ikeda HO, Nakano N, Hangai M, , Toda Y, Okamoto-Furuta K, Haruyasu Kohda H, Kondo M, Terasaki H,Kakizuka A, Yoshimura N.
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 7 ページ: e36135

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0036135

  • [学会発表] 新しい神経保護剤の開発~網膜色素変性モデル動物における VCP阻害剤の効果~2012

    • 著者名/発表者名
      池田華子
    • 学会等名
      第8回JRPS網脈絡膜変性フォーラム
    • 発表場所
      名古屋ミッドランドスクエア
    • 年月日
      20121007-20121007
    • 招待講演
  • [学会発表] VCP阻害剤による新規神経保護治療2012

    • 著者名/発表者名
      池田華子
    • 学会等名
      第2回 わかもと先進眼科医療研究会
    • 発表場所
      東京ロイヤルパークホテル
    • 年月日
      20120720-20120720

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公開日: 2014-07-24  

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