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2013 年度 実績報告書

幹細胞ニッチにおけるNrf2を介した生体防御機構の役割

研究課題

研究課題/領域番号 24791851
研究機関大阪大学

研究代表者

林 竜平  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70535278)

キーワード角膜上皮 / 角膜上皮幹細胞 / 幹細胞ニッチ / Nrf2 / 細胞遊走
研究概要

Nrf2 KOマウスでは、外来異物や酸化ストレスに対する感受性の亢進、免疫系の異常、神経変性に対する感受性亢進などが引き起こされる。本研究の目的は、角膜上皮再生時におけるNrf2を介した酸化ストレス防御機構の関与を明らかにすることである。角膜上皮創傷モデルを作製し、上皮剥離後0-72時間に前眼部写真を撮影し、角膜上皮の創傷治癒面積を定量した。その結果、WTマウスでの創傷治癒は約48時間で完全に治癒していたのに対してNrf2 KOマウスでは創傷24‐48時間でWTと比較して有意に創傷治癒が遅延していた。また、WTの角膜上皮のNrf2の免疫染色により、Nrf2は核内移行し、活性化が起きていることが示された。Nrf2を介した酸化ストレス防御機構は角膜上皮の再生過程に関与していることが示されたため、その作用機序に関する解析を進めた。まず、siRNAによるNrf2もしくはKeap1発現のノックダウンを培養角膜上皮細胞株にて検討したところ、いずれも70-80%程度のmRNA発現の抑制および、Nrf2下流遺伝子のNQO-1発現の有意な抑制と上昇を確認した。Nrf2もしくはKeap1のノックダウンの角膜上皮細胞の増殖と遊走への影響を検討したところ、Nrf2発現のノックダウンにより細胞遊走能は有意に低下し、逆にKeap1のノックダウン(Nrf2活性化)により、細胞遊走能は有意に上昇した。一方で、Nrf2およびKeap1のノックダウンはいずれも細胞増殖への影響は限定的であった。これらのことから、Nrf2は角膜上皮の細胞遊走能に影響し、角膜創傷治癒に関与していることが示された。さらに、Nrf2ノックダウンによりdeltaNp63やp75NTRの発現低下が示唆された。以上の結果より、Nrf2活性化は細胞遊走能と幹細胞性能への影響を介して、角膜上皮再生に寄与したと考えられる。現在までの研究成果について、学術雑誌「Free Radic Biol Med」2013年4月に論文発表し、2013年4月の日本眼科学会および2013年5月の米国眼科学会にて発表を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] The Role of Nrf2-Mediated Defense System in Corneal Epithelial Wound Healing2013

    • 著者名/発表者名
      Hayashi R, Himori N, Taguchi K, Ishikawa Y, Uesugi K, Ito M, Yamamoto M, Thomas D, Tsujikawa M, Nakazawa T, Yamamoto M, Nishida K
    • 雑誌名

      Free Radic Biol Med

      巻: 61C ページ: 333-342

  • [学会発表] 角膜上皮創傷治癒におけるNrf2の役割2014

    • 著者名/発表者名
      林 竜平
    • 学会等名
      眼創傷治癒研究会
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      20140831-20140901
  • [学会発表] 角膜上皮創傷治癒におけるNrf2の役割2014

    • 著者名/発表者名
      林 竜平
    • 学会等名
      日本眼科学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20140404-20140407
  • [学会発表] The Role of Nrf2-Mediated Defense System in Corneal Epithelial Wound Healing2014

    • 著者名/発表者名
      Ryuhei Hayashi
    • 学会等名
      WOC 世界眼科学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20140402-20140406
  • [学会発表] The Role of Nrf2-Mediated Defense System in Corneal Epithelial Wound Healing2013

    • 著者名/発表者名
      Ryuhei Hayashi
    • 学会等名
      ARVO
    • 発表場所
      米国シアトル
    • 年月日
      20130405-20130409

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公開日: 2015-05-28  

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