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2013 年度 実施状況報告書

TRPチャンネル制御における難治性神経麻痺性角膜上皮障害の新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24791869
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

住岡 孝吉  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40433362)

キーワード角膜上皮 / 角膜実質 / TRPV1 / テネイシンC / テネイシンX
研究概要

中枢または末梢での三叉神経障害に起因する神経麻痺性角膜症は、難治で角膜上皮の創傷治癒が遅延するため、重篤な視力障害の原因となる。TRPV1は感覚神経終末などに発現しているイオンチャネルの一つであるが、TRPV1のシグナルが、サブスタンスPや他の神経終末からの液性因子の発現に重要な役割を担っていることが、多臓器での実験研究から明らかにされている。今回、野生種マウスとTRPV1ノックアウトマウスを使用し、角膜上皮の創傷治癒においてTRPV1は、治癒促進に深く関与していることが本研究で判明した。角膜実質の創傷治癒においても同様の可能性があることを想定し、角膜全層切開モデルを作成した。TRPV1ノックアウトマウスでは野生種と比較し、1週間後で実質の癒合治癒が遅延していた。このことから角膜実質の創傷促進にもTRPV1が深く関与していることが判明した。また、角膜上皮や実質の創傷治癒における炎症反応時にテネイシンCなどの細胞外マトリックスが深く関与していると言われており、当教室の研究でも角膜創傷治癒において角膜新生血管や実質癒合にもテネイシンCが関与していることが判明した。角膜の新生血管は、重度の炎症や外傷で発症し炎症が長期化すると瘢痕治癒するため、角膜では抑制されることが好ましい。テネイシンは脊椎動物ではC、R、W、Xの4種類が知られているが、テネイシンXが各臓器でVEGFと深く関与している可能性があると報告されているため、角膜新生血管とテネイシンXの関係を調べるべく、テネイシンXノックアウトマウスを用いて、角膜焼灼モデルを作成した。テネイシンXノックアウトマウスでは角膜新生血管の伸展は抑制されており、テネイシンXが角膜新生血管に関与していることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究内容を国際学会や国内学会で発表し、論文作成中であるため。

今後の研究の推進方策

角膜透明治癒において、重度の外傷や長期の炎症の場合、角膜上皮、実質、内皮と全層にわたり障害をうける。そのため、上皮細胞の線維瘢痕化だけにとらわれず、実質、内皮も含め総合的に研究をすすめていく必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] The role of extracellular matrix in corneal wound healing.2013

    • 著者名/発表者名
      Yamanaka O, Sumioka T, Saika S.
    • 雑誌名

      Cornea

      巻: 32 ページ: S43-5

    • DOI

      10.1097/ICO.0b013e3182a4786b.

    • 査読あり
  • [学会発表] Lacking tenascin X suppresses VEGF expression and neovascularization in an injured cornea in mice.2014

    • 著者名/発表者名
      Takayoshi Sumioka, Yuka Okada, Yuka Nidegawa, Masayasu Miyajima, Ken-ichi Matsumoto, Shizuya Saika
    • 学会等名
      KEYSTONE SYMPOSIA2014
    • 発表場所
      Keystone resort, USA
    • 年月日
      20140324-20140327
  • [学会発表] Impaired angiogenic response in cornea by lacking tenascin X in mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Takayoshi Sumioka, Yuka Okada and Shizuya Saika
    • 学会等名
      Cornea Wakayama Symposium
    • 発表場所
      和歌山県
    • 年月日
      20131109-20131110
  • [学会発表] Impaired Wound Healing In Corneal Stroma Of A Nitric Oxide Synthase Type II -deficient Mouse.2013

    • 著者名/発表者名
      Takayoshi Sumioka, Yuka Okada, Norihito Fujita, Masayasu Miyajima, Shizuya Saika.
    • 学会等名
      ARVO2013
    • 発表場所
      seattle, USA
    • 年月日
      20130505-20130509
  • [学会発表] マウス角膜実質創傷治癒過程におけるNitric Oxide 合成酵素 Type IIの役割.2013

    • 著者名/発表者名
      住岡孝吉、岡田由香、藤田識人、宮嶋正康、雑賀司珠也
    • 学会等名
      日本眼科学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130404-20130407

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公開日: 2015-05-28  

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