研究概要 |
各施設から和歌山県立医科大学へ送付された眼内レンズのうち、眼感染症が原因で摘出に至った分について表面へ付着した細胞に関する研究を行った。摘出眼内レンズにヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を施行し、眼内レンズ表面に付着している細胞を光学顕微鏡で観察し、付着している細胞について以前の報告(Cell adhesion on explanted intraocular lenses: Part 1. Analysis of explanted IOLs : Ishikawa N, Miyamoto T, Okada Y, Saika S. J Cataract Refract Surg 37, 1333-1338, 2011.)と比較して付着数や種類に相違がないか、眼内レンズの材質によって違いがあるかどうか検討した。 また、摘出眼内レンズと同時に送付されてきたデータシートを確認し、1)挿入されている眼内レンズの形状 2)眼内レンズが眼内に挿入されていた期間、3)眼科的疾患(糖尿病網膜症、ぶどう膜炎等)の有無 4)全身的疾患(糖尿病等)の有無との関連性についても検討を行った。 これらの検討を行う事で、光触媒による表面処理を施行した眼内レンズを用いた実験を行う際に、光触媒の抗菌作用によって眼感染症に関連する種類の細胞の付着が抑制されるのか、どの程度抑制されるのかを評価する為の基準の設定につなげる事が期待できる。
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