研究課題
目的)角膜内にもミクログリアが存在し、角膜神経の修復に関与することで角膜の透明性を維持しているという仮説を立て研究を行う。方法)1)正常角膜をIba-1、CD11、CD11cに対する抗体で染色し、ミクログリアの存在、ミクログリアの角膜内での分布を共焦点顕微鏡で検討する。2)角膜上皮を掻把することで角膜神経を消失させることが可能であり、その後神経が再生してくる。このモデルを用いて三叉神経の再生とミクログリアの関係を検討する。さらにこのミクログリアのP2受容体の発現を検討する。3)P2Y2受容体を促進する薬剤であるジクアスルホン酸ナトリウムを角膜上皮掻把モデルに使用し、角膜神経の修復変化および角膜上皮の変化を検討する。研究成果)正常角膜にはIba-1+細胞が角膜実質周辺部に存在していた。さらにP2Y2受容体陽性細胞も角膜実質周辺部に存在していた。これらの細胞が同一のものであるか現在検討中である。一方、角膜上皮掻把後に角膜神経が消失することをB-tubulinの染色で確認できたがこの時点ではP2Y2受容体陽性細胞数は減少していた。角膜上皮掻把後にP2Y2受容体の刺激薬であるジクアスルホン酸ナトリウムを点眼したところ角膜上皮の進展は促進されなかった。一方角膜神経は有意に再生が促進されていた。以上の結果から角膜内には中枢神経内に存在するミクログリアと同じような表現型をもった細胞が存在しており、この細胞がP2Y2状態からのシグナルを介して角膜内に神経再生に何らかの影響を及ぼしていることが示唆された。
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