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2014 年度 実績報告書

緑内障と酸化ストレス

研究課題

研究課題/領域番号 24791882
研究機関産業医科大学

研究代表者

宮本 直哉  産業医科大学, 医学部, 助教 (30620570)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード緑内障 / 酸化ストレス / 線維柱帯細胞 / 緑内障点眼薬 / 分子生物学 / 転写
研究実績の概要

我々は、培養線維柱帯細胞を使用し酸化ストレスと緑内障発症に関するメカニズムに関して検討を行った。これは、酸化ストレスの強さと緑内障進行とがパラレルであることが報告され、実際に緑内障患者では線維柱帯細胞のアポトーシスが起こり、そこに細胞外マトリックスが沈着することが眼圧上昇に関わっていることが知られたためである。そこで、今回長寿や酸化ストレス耐性に関与することで知られるsirt1遺伝子に着目し研究を行った。正常患者由来と緑内障患者由来の線維柱帯細胞でsirt1の発現を比較すると緑内障患者由来の細胞で発現量が多かった。sirt1遺伝子をKockdownすると、細胞内のROSの濃度が高くなり、さらにWST8 assayにて酸化ストレスに対する感受性が高くなることがわかり、線維柱帯細胞においてsirt1遺伝子は酸化ストレス耐性に関与することがわかった。さらに、sirt1遺伝子の発現メカニズムを探るためプロモーター領域を調べてみるとE-box結合配列が存在することがわかった。そこで、E-box結合たんぱく質をsiRNAでKnockdownするとc-myc遺伝子のみでsirt1の発現が抑制された。そこで、sirt1遺伝子のプロモータープラスミドを作成し、Luciferase assayを行うとやはりc-mycを組み込んだプラスミドとco-transfectionをした場合にsirt1遺伝子の転写活性が上昇することを確認した。このことからsirt1遺伝子はc-mycによる発現制御を受けている可能性が示唆された。さらに緑内障点眼薬でよく使用されるPG製剤であるタフルプロストを培養線維柱帯細胞に添加すると、c-myc/sirt1転写システムが活性化することがわかり、PG受容体をantagonistでブロックするとこの作用は消失した。このことから、点眼薬であるタフルプロストはPG受容体を介してc-myc/sirt1転写システムを活性化して線維柱帯細胞を酸化ストレスから防御する可能性が示唆された。

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公開日: 2016-06-01  

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