研究課題/領域番号 |
24791886
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本多 昌平 北海道大学, 大学病院, 医員 (90588089)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肝芽腫 / DNAメチル化 |
研究概要 |
肝芽腫の悪性度を決める重要な要因はDNAメチル化異常であるという着想から、肝芽腫の予後を規定する分子マーカーをDNAメチル化解析によって探求することを目的とした。 肝芽腫腫瘍検体からmacrodissectionによって胎児型・胎芽型肝芽腫の領域を分けて採取し、それぞれから抽出したDNAを次世代型シークエンサーを用いて網羅的メチル化解析をおこなった。正常肝組織と比較して2倍以上のメチル化率を示したCpGサイトを有する遺伝子は、胎児型で1,638遺伝子、胎芽型で2,019遺伝子存在した。 肝腫瘍cell line(HuH6,HepG2)を5-aza-dCにて脱メチル化処理し、発現アレイ解析を用いてメチル化によって発現抑制を受ける遺伝子を解析した。脱メチル化処理により2倍以上の発現を呈した遺伝子は905個存在した。 上記のメチル化アレイ解析と発現アレイ解析によって得られた遺伝子を照らし合わせることによって、83の候補癌抑制遺伝子が抽出された。現在個々の遺伝子について実際に臨床検体を用いてメチル化率を解析している所である。病理組織学的に分類される胎芽型肝芽腫(embryonal type:高悪性度)と胎児型肝芽腫(fetal type:低悪性度)を分別して、組織型に応じたDNAメチル化プロフィールを解析し、特異的にメチル化率の異なる候補癌抑制遺伝子を同定する本研究結果を用いて、肝芽腫のprogressionにおけるDNAメチル化異常の関与を明らかにし、DNAメチル化異常からみた肝芽腫の予後予測因子としての分子マーカーを確立することが可能となると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝芽腫検体パラフィン包埋切片から正常肝組織、および胎児型、胎芽型肝芽腫腫瘍組織をmacrodissectionによって分別回収し、癌抑制遺伝子プロモーター領域の異常メチル化を網羅的に解析し、DNAメチル化プロフィールを作成する所までは平成24年度に終了した。当初解析を予定していたWhole-exome sequencing法による遺伝子レベルでの変異・欠失の同定は、予算の関係で受託解析を行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
メチル化アレイ解析と発現アレイ解析によって得られた遺伝子を照らし合わせることによって、83の候補癌抑制遺伝子が抽出された。現在個々の遺伝子について実際に臨床検体を用いてメチル化率を解析している所である。病理組織学的に分類される胎芽型肝芽腫(embryonal type:高悪性度)と胎児型肝芽腫(fetal type:低悪性度)を分別して、組織型に応じたDNAメチル化プロフィールを解析し、特異的にメチル化率の異なる候補癌抑制遺伝子を同定する本研究結果を用いて、肝芽腫のprogressionにおけるDNAメチル化異常の関与を明らかにし、DNAメチル化異常からみた肝芽腫の予後予測因子としての分子マーカーを確立することが可能となると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
Whole-exome sequencing法による遺伝子レベルでの変異・欠失の同定を実施可能かにつき検討中である。また代替としてCancer Panelを用いて癌特異的遺伝子変異に着目した解析法も検討している。いずれにせよ当初の研究計画通り、肝芽腫におけるepigenetic異常(DNAメチル化異常) および genetic異常(塩基配列変異・欠失・増幅)を悪性度の異なる組織型との関連性に着目して解析し、肝芽腫のprogressionに関与する遺伝子異常を明らかにする本研究を更に進めていくことが可能と考えている。
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