研究課題
前年度にメチル化ビーズアレイ解析および発現アレイ解析によって4つの候補癌抑制遺伝子(GPR180、OCIAD2、PARP6、MST1R)が肝芽腫の予後予測因子として有用であることを見出した。なかでもGPR180のメチル化は多因子解析において独立した予後予測因子として抽出され、今後肝芽腫における予後規定因子としての分子マーカーとして有用となりうることが示唆された。その他の3遺伝子に関しては、単因子解析においては予後と相関みられたが、多因子解析にては有意な規定因子としては選別されなかった。これらの遺伝子の機能解析を細胞株(HUH6、HepG2)をもちいて最終年度におこなった。それぞれの遺伝子の細胞株における発現状態を確認し、メチル化と発現との関連について解析した。さらには強制発現株およびノックダウン株を作成しがん抑制遺伝子としての機能をin vitro解析にて検証した。それによって、OCIAD2は高メチル化と発現が逆相関しており、更には増殖能には影響を与えないが、遊走および浸潤能において有意に抑制性にはたらくことが示された。またPARP6においても同様のメチル化による発現低下が確認され、癌抑制遺伝子としての機能を持つことが示された。その他の遺伝子においては細胞株の調整が困難であり、最終的な機能同定にまでは至らなかった。本研究期間全体を通じて実施した研究成果をCancer Science誌に投稿しアクセプトされた。
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Cancer Science
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10.1111/cas.12928