研究課題/領域番号 |
24791890
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤村 匠 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (80573443)
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キーワード | ヒルシュスプルング病 / 神経堤細胞 / 幹細胞 / 細胞移植治療 |
研究概要 |
1,塩化ベンザルコニウムを用いたヒルシュスプルング病モデルマウスの作成は安定したモデルの作成に成功し、神経堤細胞を蛍光標識したマウスを用いた同モデルにおける無神経節腸管の病理組織の検討を行い、さらに腸管内残便量と体重増加率を用いた機能評価で明らかな消化管機能障害を呈することを示した。同実験結果は国際学会Neuro2013、第19回大腸肛門機能障害研究会で発表し、後者の研究会で研究奨励賞を受賞した。 2,腸管由来神経堤幹細胞を用いた薬剤性ヒルシュスプルング病モデルマウスへの移植実験は昨年度までに8週間に渡って移植細胞が生着することをIn Vivo Imaging Systemを用いて証明しており、本年は移植した細胞がもともと細胞が分布するはずである筋間に位置していたこと、同部位で神経細胞に分化していることを明らかにした。同実験結果は第26回小腸移植研究会で発表し、研究奨励賞を受賞した。 3,ヒト腸管由来神経堤幹細胞の分離同定とその解析については、本年は当施設で検体が2件のみであり、2件とも神経堤細胞のsphere形成は不良であった。移植実験に用いることはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスを用いた実験ではヒルシュスプルング病に対する細胞移植治療の有効性を示すデータを示すことができたが、ヒト検体に関しては手術症例が少ないために、十分な実験を行うことができていない。
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今後の研究の推進方策 |
マウスを用いてた実験結果については国内外の学会、論文で広く、その成果を広めたい。 さらに、マウスで示した神経堤細胞移植治療の有効性をヒト検体を用いて示していきたい。腸管由来の神経堤幹細胞の入手はやや困難であり、比較的入手が容易なヒト脱落歯から得た歯髄幹細胞(Dental pulp cell)からFACS sortingを用いて神経堤細胞や間葉系幹細胞を分離し、移植する方法なども模索している。
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次年度の研究費の使用計画 |
ヒト検体での研究の進行が遅れているため、試薬等の消費が少なかった。 学会発表、論文作成などの費用補充とする。
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