腸管神経節細胞の欠失が本態と言われるヒルシュスプルング病(HSCR)は無神経節腸管が長いために手術でも十分な機能改善を得られない場合がある。これらの病態に対する新規治療開発手術治療として、腸管神経の起源である神経堤細胞を用いた細胞移植治療の有用性を検討した。マウス腸管由来神経堤幹細胞を薬剤性HSCRモデルへ移植し、8週間に渡って移植細胞が生存していることを発光を利用した観察で証明した。移植細胞は移植腸管内で神経、グリアのマーカーを発現していた。さらに腸管内残便量と体重増加率を用いた機能評価で消化管機能改善傾向を認めた。神経堤細胞移植治療がHSCRの新規治療戦略の一つになりうると思われた。
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