昨年度に引き続き、短腸症候群モデル(SBS)作成をおこなった。SBSモデルより検体採取を行い、SBS群はControl群と比べて空腸・回腸ともにvillus height/crypt depthともに術後1週間で優位に増加を示した。空腸について、M-SBS群(中腸切除)におけるvillus height/crypt depthの変化はD-SBS群(遠位腸切除)よりも有意に増加を示した。また回腸については、P-SBS群(近位腸切除)におけるvillus height/crypt depthの変化はM-SBS群よりも有意に増加を示した。腸管大量切除術1週間後の形態学的変化においてD-SBS群はもっとも変化に乏しいものであったことが示された。腸管大量切除術1週間後の腸管上皮細胞のproliferationの変化についてBrd-U染色により評価した。apoptosis 経路内因性のbcl-2/baxのmRNAの発現についてRT-PCRを用いて評価した。bcl-2発現についてD-SBS群・P-SBS群はコントロール群より優位的高かった。D-SBS群はP-SBS群よりもbcl-2の発現は優位的に増加していた。bax発現についてP-SBS群・D-SBS群はコントロール群間に有意差は認められなかった 。またproliferation経路についてKGF/KGF-R1のmRNAの発現についてRT-PCRを用いて評価した。KGF/KGF-R1発現についてはP-SBS群・D-SBS群はコントロール群よりも増加傾向が認められたが、D-SBS群のみ有意差が認められた 。 対比治療群としてのアンギオテンシン投与群を現在作成している。
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