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2012 年度 実施状況報告書

脱細胞血管を素材とする小口径血管グラフトの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24791901
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

王 巍  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (60451944)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード再生医療 / 人工血管 / 小口径
研究概要

遂行した実験:1)異種脱細胞化血管移植片の作製:日本白色家兎の上腕動脈を20㎜の長さで採取し、外部撹拌浸漬と管腔内潅流法により、室温にPBSで15分洗浄、1%SDSで24時間洗浄、純水で30分洗浄、1% Triton-X100で60分洗浄、抗生剤入りPBSで6日間洗浄する。2)脱細胞化血管組織片の分子構造評価:作製された試料を臨界点乾燥とイオンコーティング処理を施し、走査電子顕微鏡(SEM)で立体構造を観察する。一方、ホルマリン固定、パラフィン包埋の後に薄切切片を切り出し、免疫蛍光染色でCollagen 1, Collagen 4, Fibronectin, Lamininなどの細胞外マトリックス構造と細胞核を観察する。3)血管移植及び機能評価:Wistarラットの大腿動脈に20㎜の欠損を作製し、異種脱細胞化血管移植片(各10例)を10-0ナイロン糸で端端吻合する。術後3週目にサンプルを採取し、血管の開存を確認する。4)組織学的評価:移植部位を採取し、ホルマリン固定、パラフィン包埋の後に縦方向に薄切切片を切り出し、免疫蛍光染色で膠原線維、弾性線維、基底膜の変化と、血管内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞の形態を観察する。
結果:上記の脱細胞法が血管全層の細胞を溶解除去できることを免染で確認した。SEMで滑らかな内膜基底膜構造を確認した。しかし、内膜と中膜の間に核残骸の沈着も観察された。術後3週でラット大腿動脈に移植されたサンプルがすべて栓塞した(3/3)。脱細胞法のさらなる効率向上が望ましい。血管内膜に抗凝固加工が不可欠だと示された。
計画:脱細胞処理の効率を上げるために、SDS処理後超音波洗浄を加えると全身潅流脱細胞処理を試す。移植血管内膜にヘパリン塗布、MPC塗布を試す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りに研究を遂行した。

今後の研究の推進方策

今後の計画:
1)脱細胞処理の効率を上げるために、SDS処理後超音波洗浄を加えると全身潅流脱細胞処理を試したい。
2)処理した移植血管内膜にヘパリン塗布、MPC塗布など抗凝固方法を試す。最善の抗凝固措置を探りたい。

次年度の研究費の使用計画

実験消耗品の購入(50万)と研究成果の発表(20万)に使用するつもりだ。

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公開日: 2014-07-24  

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