研究課題/領域番号 |
24791906
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
渡部 聡子 岡山大学, 大学病院, 医員 (20379803)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | β-TCP / 人工骨 / BMP-2 / 気孔率 |
研究概要 |
研究の目的:従来の人工骨は一部に細胞の侵入性を高めるため気孔率を上げているが、ほとんどの気孔が盲端であり血管の貫通性を妨げ、また高い気孔率であるためきわめて脆弱な欠点を有している。これら従来の素材とは異なり、完全な貫通孔を有することで骨内微小環境を再現可能で強靭な構造を有するハニカムβ-TCPの開発を申請者らはすでに成功している。この新素材人工骨を用いて顔面領域の骨組織再建法を高い確率で確立可能かを検証する。 研究実施計画:ハニカムβ-TCPの破断面及び側面の表面構造を焼結温度別にSEMにて観察する。各焼成温度別にハニカムβ-TCPををラット皮下に埋入して組織学的検討を行う。 実施結果:SEMにてハニカムTCPの超微細構造解析を行ったところ、破断面及び側面の表面構造は焼成温度の上昇に伴い、凹凸減少、気孔率減少、平坦な表面構造となっていた。また、各焼成温度別のハニカムβ-TCPを実験動物に移植してその活性を組織学的に観察した結果、1110℃で焼成したTCPではTCPを取り囲むように異物巨細胞浸潤を認め、1190℃で焼成したハニカムTCP孔内には多数の微小血管とともに孔内壁に添加するように新生骨組織が形成されていた。1250℃以上のTCPでは再び炎症細胞浸潤を認め、さらに高温になるとTCPは溶解されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来型の人工骨とは異なる構造であるハニカムTCPの特性を証明するためSEMにて表面微細構造を観察し、実際の骨組織形成の様子を組織学的に観察して貫通孔内壁に沿うような形で骨組織形成と微小血管進入をを認めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
硬組織分化因子BMP-2を用いて、BMPをがハニカムTCPに及ぼす影響について検討する。具体的には各種濃度のBMP-2を各種孔径を有するハニカムβTCPにそれぞれ含浸させ、実験動物に移植してその活性の違いを組織学的に観察する。組織学的検討では酸素分圧及び硬組織関連抗体を用いた免疫組織染色で行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
TCPを埋入させる実験動物を購入する予定であるが、昨年度の予備実験では使用した動物数を最小限に限ったため購入資金に余裕が生じた。次年度では個体数を増やして追加実験を行い、かつ組織学的評価を行うための抗GFP抗体、抗オステオカルシン抗体、OPN、Collagen抗体等の硬組織関連抗体を用いた免疫染色を行うための抗体試薬を購入する資金とする予定である。また使用するBMP-2および基質であるマトリジェル購入にも使用する。
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