今後の研究の推進方策 |
生体内局在と脂肪組織形成への寄与を調査するために、それぞれの由来追跡モデルマウスの鼠径部及び頭部皮下脂肪組織より標本を摘出し、GFP陽性細胞の局在、形態、免疫形質について、さらに詳細な組織学的検討を進める。 それぞれの細胞集団のin vivoにおける機能解析として、検討している神経堤由来のADSC細胞群が医療再生応用の観点から実際生体内でどのような特性や機能を保持しているかについて、従来より一般に利用され効果が広く確認されている遊離脂肪移植モデルを用いてin vivoにおける動態及び機能評価を行う。それぞれ由来の異なるGFP陽性細胞群を注入付加した遊離鼠径皮下脂肪組織を頭部皮下に移植し、術後1,2,4,12,24週で移植組織を採取する。それぞれの移植付加細胞群の術後動態を組織学的に追跡するとともに、生着率・脂肪組織新生については組織重量を指標に、脂肪分化・血管新生については免疫組織学的解析を用いて非分離ADSC及びPBSを注入したものを対照群とし比較する。また神経堤由来ADSCがより効率的にグリア系細胞あるいはニューロンに分化できた場合はマウス坐骨神経欠損モデルに移植を行い、生体における移植後の動態及び末梢神経再生への寄与を検討する。われわれは、マウス坐骨神経欠損モデルにおけるADSC移植による末梢神経再生効果についてはすでに検討を加えており、これらのモデル作成や評価法については確立されている。
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