研究課題/領域番号 |
24791924
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小沼 憲祥 日本大学, 医学部, 専修指導医 (50553103)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 脱分化脂肪細胞 / DFAT / 乳腺上皮細胞 / 乳房再建 |
研究概要 |
乳癌術後の乳房再建を目的に、脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた乳房再建を試みた。生体における乳腺にとって周囲の脂肪組織は、単なる支持組織ではなく、乳腺の発達や増殖をサポートする内分泌組織としての認識が近年高まってきている。そこで、本年度は、正常乳腺上皮細胞であるNMuMGと脂肪を脱分化させたDFATをの相互作用をIn vitroにて確認した。既報によると、二次元培養での乳腺上皮細胞の分化よりも三次元培養法を用いた培養法の方が、より生体に近い環境が得られると報告があることから、コラーゲンタイプIとコラーゲンタイプIVのゲルを用いて、NMuMGとDFATの共培養を施行した。結果、DFATと共培養されたNMuMGは管腔構造を持ち、枝葉状にひろがる構造物となることが確認され、さらにDFATとNMUMGを4:1で共培養した時に、乳腺様構造が最も大きく培養されることが確認できた。また、condition mediumによる検討では、10%FCS含有DMEM:DFAT condition medium=2:1のmediuで培養したときに、乳腺様構造物がもっとも多く培養された。以上より、乳腺上皮細胞は、DFATから影響をうけ、増殖能並びに形態変化が起こることが確認された。また、乳腺上皮細胞からDFATに対する脂肪分化誘導の可能性を調べるために、二次元培養にて、NMuMGとDFATを共培養した。Oil Red-O染色を用いて脂肪染色を施行したところ、培養4日目にてNMuMGと共培養されたDFATは、脂肪へ分化されていることが確認された。このことから、乳腺上皮細胞は、DFATを脂肪分化させることが明らかとなり、乳房再建におけるDFATの有用性を示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用した乳腺上皮細胞は、Primaryではいために、本来なら、妊娠マウスもしくは妊娠ラットより乳腺上皮細胞を確立し、DFATとの共培養による相互作用を検討するはずであったが、primary細胞の確立に難渋してるために研究遂行が遅れいていると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の遅れとなっている妊娠マウスもしくはラットからの乳腺上皮細胞の確立を行い、DFATとの共培養検討を再度施行する。 また、vivoにおける乳腺上皮細胞へのDFAT投与の影響を検討する。乳腺切除モデルに関しては、通常マウスもしくはラットにおける乳腺切除は困難な為に、妊娠マウス、もしくはラットを用いてモデル作成を行い、DFAT投与による乳腺との相互作用を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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