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2013 年度 実績報告書

酸化ストレスを利用した新規脂肪由来幹細胞産生サイトカインによる分化誘導法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24791927
研究機関近畿大学

研究代表者

森山 博由  近畿大学, 薬学総合研究所, 准教授 (90581124)

キーワード酸化ストレス / ヒト脂肪由来幹細胞 / 神経再生 / 分化誘導 / 分化誘導シグナル
研究概要

本研究では新規ヒト脂肪由来多系統前駆細胞(hADMPC)に様々なストレスを負荷させることによって、幹細胞からの高効率な三胚葉系由来細胞への分化誘導法を開発し、細胞治療の実用化に資する技術基盤を確立することを目的とした。hADMPCをさまざまなストレス環境下で培養することにより、hADMPCにどのような影響が起こるのか、主に細胞増殖、分化能、サイトカイン分泌に与える影響について検討したところ、それらのストレスのうち、酸化ストレスを与えたhADMPCの培養上清が、PC12細胞の神経伸長を著しく促進することを見出した。そこで、神経伸長に関連すると思われるサイトカインについて解析したところ、酸化ストレス暴露培養下におけるhADMPCでは、BMP2とFGF2の発現量、分泌量ともに増加していることが明らかとなった。そこで、hADMPC 内での酸化ストレス負荷によるBMP2、FGF2 の発現誘導メカニズムを解明するために、MAPキナーゼシグナルに注目し、解析を行った。すると、hADMPCでは酸化ストレス負荷により、p38とERK1/2MAPキナーゼが上昇することが判明した。そこで、p38MAPキナーゼ阻害剤を添加したところ、酸化ストレス負荷によって上昇したFGF2、BMP2の発現がコントロールレベルまで抑制された。さらに、p38MAPキナーゼの上流因子であるMKK6の恒常的活性化型を導入し、強制的にhADMPCのp38MAPキナーゼを活性化させたところ、FGF2とBMP2の発現、分泌上昇を認めた。一方、ERK1/2MAPキナーゼ阻害剤の添加ではFGF2、BMP2の発現レベルは変化がなかったことから、hADMPCにおけるFGF2、BMP2の発現、分泌上昇は、p38MAPキナーゼを介していることが判明した。以上の結果は酸化ストレスならびにp38MAPキナーゼ活性化が、神経再生医療へ応用できる可能性を示唆するものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Tightly regulated and homogeneous transgene expression in human adipose-derived mesenchymal stem cells by lentivirus with tet-off system.2013

    • 著者名/発表者名
      Moriyama H, Moriyama M, Sawaragi K, Okura H, Ichinose A, Matsuyama A, Hayakawa T.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e66274

    • DOI

      10.1371

    • 査読あり
  • [学会発表] 贅肉は贅沢!?ヒト脂肪組織由来多系統前駆細胞の魅力2013

    • 著者名/発表者名
      森山博由
    • 学会等名
      第4回生命機能研究会
    • 発表場所
      同志社大学びわこリトリートセンター(滋賀県大津市)
    • 年月日
      20130921-20130922
  • [学会発表] 幹細胞が紡ぐ再生医療と医薬品開発 ~先端研究開発の現場から~

    • 著者名/発表者名
      森山博由
    • 学会等名
      近畿大学生涯教育講演会
    • 発表場所
      近畿大学フェスティバルホール(大阪府東大阪市)
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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