今回の2年間にわたる研究を通じて、今まで災害後に明らかにされていなかった避難所における呼吸器疾患の発生頻度と関係している環境因子の関係を明らかにしてきた。過去の阪神淡路大震災時にも避難所で呼吸器疾患の患者の増加が報告されているが、今回の研究のように大規模であり被災状況や衛生状況と関連性を調べた研究は行われていない。今回の研究において気道感染症が最も避難所で多く発生し、約40の避難者が罹患することが明らかになった。またこれらは混雑している避難所で最も多く発生した。今回の研究結果は今後の避難所の運営における重要な基礎データになると思われる。
|