研究課題
腸管が侵襲時の重要な標的臓器であることは広く認識されつつあり、経腸栄養の有用性などが集中治療領域で報告されてきている。2102年に発表された米国のSepsis Surviving Campaign Guideline2012や集中治療医学会の敗血症治療ガイドラインでも、栄養療法の稿が新設され、その重要性が論じられているが、敗血症における腸管内治療はいまだ確立されておらず、記載はない。しかしながらプロバイオティクス/シンバイオティクス療法は様々な重症疾患で注目されてきており、敗血症に関わる腸内細菌叢の関わりが明らかになれば、新たな腸管内治療の確立につながる。具体的には、腸内細菌叢(乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌とMRSA、緑膿菌などの悪玉菌)のバランス、短鎖脂肪酸(有機酸)を中心とする腸管内環境の変化を定量的、経日的にとらえ、全身病態との関連性を明らかにし、さらにシンバイオティクス投与が重篤な感染症の合併を減らす適切な腸管内治療になるかどうかを検討するべく、症例の集積を行っている。特に重症敗血症に対するシンバイオティクス投与効果に関しての研究はこれまでなく、世界初のRCTとしてその有効性を示すべくRCTを行った。研究計画に基づき、2施設でRCTを進め、投与群11例、非投与群11例を集積し、その結果を2015年1月の米国集中治療医学会にて報告した。この論文については現在執筆中である。
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JPEN J Parenter Enteral Nutr
巻: 未定 ページ: 未定
10.1177/0148607114529596
ICUとCCU
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