研究課題/領域番号 |
24791945
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中瀧 恵実子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60467818)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | カテーテル関連血流感染 / 連結針 |
研究概要 |
カテーテル関連血流感染(catheter related-blood stream infection: CR-BSI)は患者の生命予後を悪化させる。輸液ラインの連結針は輸液容器の更新毎に解放状態となり、汚染される危険性ある。しかし今までこの部位の汚染についてはほとんど検討されていない。本研究の目的はCR-BSIのハイリスクである集中治療患者を対象とし、輸液ラインの連結針の汚染率および原因菌を調査することである。集中治療患者を対象とし、輸液容器の更新を複数回行った輸液ラインにおいて、連結針の細菌汚染率、汚染原因菌の調査を開始した。 対象は当院ICUに入室し72時間以上輸液療法を受けた成人患者とした。72時間連続使用した輸液ラインを連結針の直下で密閉、その下流のラインを切離した。連結針は細菌検査室で無菌操作下に取り出し、細菌培養検査を行った。汚染陽性率を調査し、検出された菌の同定検査を行った。 現在採取した検体は目標の半数の120検体で、うち3検体(2.5%)で細菌培養が陽性となった。3菌種が同定され、全てcoagulase negative Staphylococci(CNS) であった。 上記結果により、輸液容器と輸液ラインの連結針にも細菌汚染が確認された。不適切な消毒操作により、輸液容器表面に付着した細菌が連結針を介して輸液容器内へ侵入し、輸液ラインの細菌汚染が起こると考えられる。引き続き検体を収集して調査を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体の収集は順調であり、次年度には調査を完了できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
輸液容器と輸液ラインの連結針を介して輸液容器の細菌汚染が起こることが証明されつつある。輸液容器の更新回数と細菌汚染の関連についても検討を行う。またCRBSI発生の有無を評価し、輸液容器の細菌汚染とCRBSI発生の関連についても検討する。 輸液容器の細菌汚染に関与する因子を明らかにし、汚染率軽減の手段を提言する。
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次年度の研究費の使用計画 |
引き続き、細菌培養および菌種同定に使用する。次年度への繰越額は、培養および同定に必要な物品・試薬購入に使用予定である。 また、情報収集および研究成果発表のための学会出席、論文作成のための資料収集に使用する予定である。
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