研究概要 |
(目的)我々は前年度において、分化型THP-1細胞及びヒトMacrophageにLPSを投与下に、糖濃度の異なる培養液で72時間培養を行いアポトーシス(細胞内Akt, p38MAPK のリン酸化/Total(比)変化の定量、細胞内ミトコンドリア膜電位変化、Bcl-xl, Bcl-2/Bax, Bak発現比の解析、Caspase 3, 9の発現定量)、オートファジーの発現(細胞内LC3-2/1比, Beclin1発現、細胞内PI3K, mTOR activity、mTORのリン酸化/Total(比)変化定量)について実験を行った。 今年度はその細胞内情報伝達系の上流に位置すると考えられる小胞体ストレスが関与するか、細胞内及び核内CHOPの経時的な発現の変化を見た。またNucleofection法を用いた遺伝子ノックダウンによりCHOPの発現を低下させた場合の変化を調べた。 (結果)LPS投与下の培養実験において核内CHOPの発現が経時的に上昇した。高糖下の環境においてCHOPの発現が亢進した。また、細胞死の発現と正の相関関係を示した。さらに、CHOP遺伝子発現をノックダウンすることで細胞死を抑制することができた。
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今後の研究の推進方策 |
1)生食群(0.9% NaCl 2.5ml/kg/hr), 2)グルコース群(20% Glucose 2.5ml/kg/hr), 3) LPS投与群(0.9% NaCl 2.5ml/kg/hr+LPS 2.5mg/kg), 4) LPS投与群+Glucose 群(20% Glucose 2.5ml/kg/hr+ LPS 2.5mg/kg)。群間の差を以下の項目について解析する。またClodronate Liposomes投与により生体内単球系を抑制後、レゾルビン前処理後の単球を静脈内投与し、コントロール群(生食前処理群)と比較解析する。 (a) 全身予後:体温変化、死亡率 (b)血液中又は腹腔内Monocyte/Macrophaeの細胞死変化(Vitro系と同じ項目) (c)全身炎症・肺損傷の重傷度(肺の乾湿重量比、肺胞洗浄液中アルブミン定量、炎症性(d)サイトカイン濃度、H.E.染色による肺炎症評価) (e)肺組織内Resolvin濃度変化(マススペクトロメトリー、LC-MS/MS法)
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