研究概要 |
(熱傷モデルの作成) 恒温恒湿飼育室で個別飼育を行った8週のWistar雄性ラットを用いた。飲水および固形飼料は自由摂取させ、麻酔はペントバルビタールを50mg/kgの割合で腹腔内投与した。ラット背部の除毛を行った後、20×20mmの穴をあけたプラスチック容器の上にラット背面をおき、恒温槽に準備しておいた熱湯に作用させ、熱傷モデルを作成した。作成した熱傷モデルより経時的に標本を採取し、病理組織学的検討を行った。その結果、真皮浅層 まで損傷が及んでいるものをSDB、真皮の約2/3まで損傷が及んでいるものをDDBとして適切な動物モデルとして定義した。結果として、70℃、78℃の熱湯に10秒作用させたモデルが、それぞれSDB,DDBの熱傷モデルとして適切であった。 (レーザースペックル画像血流計による測定)熱傷モデルであるラットをそれぞれ腹腔内注射にて麻酔を行い、測定装置のステージ上に設置し、LSFGによる測定を行った。測定は受傷48時間後まで定期的に測定を行い、血流の変化を計測した。実験にて得られたデータをもとに、LSFG附属の解析ソフトを用い、それぞれSDB、DDBの熱傷モデルにおける2次元画像でのカラ ーグラフィックスおよびグラフ等を用いて血流の変化および相対値等の解析を行い、検討を行っている。それをもとに具体的には、SDBとDDBを判別するのに最も良い時期、つまり血流に最も有為差が出る時期、またその基準となる値を検討する予定である。
|