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2014 年度 実施状況報告書

頭部外傷におけるPACAPの神経保護作用と機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24791954
研究機関昭和大学

研究代表者

宮本 和幸  昭和大学, 医学部, 助教 (80555087)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード頭部外傷 / PACAP38 / 活性酸素種 / 抗酸化能
研究実績の概要

頭部外傷(TBI)では受傷直後におこる一次性脳損傷とその後に生じる二次性脳損傷が知られている。この二次性脳損傷の抑制が頭部外傷の予後に重要であり,活性酸素や酸化ストレスの関与が示唆されている。神経ペプチドのひとつであるPACAP (pituitary denylate-cyclase activating polypeptide)は神経保護作用を有し、脳虚血モデルで脳梗塞の抑制作用が報告されている。本研究では平成24年~27年にかけて、PACAP38投与がマウス頭部外傷モデルにおいて24時間後の神経損傷領域(神経変性線維を染色するFluoro JadeB染色)を減少させることを報告した。以前の研究から、頭部外後3時間に最も活性酸素種が産生されることがわかっている。このため、本検討でも、受傷後3時間に、大脳皮質の抗酸化能(Mn-SOD, GPX-1, HO-1,2, チオレドキシン1, Zn-CU-SOD)を測定しPACAP38の抗酸化に対する影響について検討した。結果、PACPP38は受傷3時間のMN-SOD, GPX-1の働きを有意に向上させていることが確認された。さらに、PACA38の拮抗薬であるPACAP6-38を用いてPACAP38がPAC1受容体を介して作用しているかについての検討をおこなった。結果、有意さはなくPACAP38はPAC1受容体以外を介して作用していることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究ではPACAP38がマウス頭部外傷モデルにおいて抗酸化能にどう影響していいるかについて検討をおこなっている。現時点では、PACAP38の投与によりPACAP38受容体を介してPACAP38が抗酸化能を制御しているところまでは解明できている。さらに、検討をすすめるにあたり、PACAP38KOマウスを用いてさらに検討をすすめているが、PACAP38 KOマウスの繁殖能力が十分でなく十分な匹数を確保できないことから1年間の延長を申請した。

今後の研究の推進方策

PACAP38KOマウスを用いて頭部外傷モデルを作成する。PACAP38がまったくないことが等右外傷後の酸化ストレスにどう影響するか、また、その損傷範囲について検討をおこなう。さらに、Western blottingを用いて抗酸化能について検討する。

次年度使用額が生じた理由

本研究ではPACAP38がマウス頭部外傷モデルにおいて抗酸化能にどう影響していいるかについて検討をおこなっている。現時点では、PACAP38の投与によりPACAP38受容体を介してPACAP38が抗酸化能を制御しているところまでは解明できている。さらに、検討をすすめるにあたり、PACAP38KOマウスを用いてさらに検討をすすめているが、PACAP38 KOマウスの繁殖能力が十分でなく十分な匹数を確保できないことから1年間の延長を申請した。

次年度使用額の使用計画

PACAP38KOマウスを用いて頭部外傷モデルを作成する。PACAP38がまったくないことが等右外傷後の酸化ストレスにどう影響するか、また、その損傷範囲について検討をおこなう。さらに、Western blottingを用いて抗酸化能について検討する。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 除神経過敏へのノルアドレナリン投与で心室頻拍をきたした重症パーキンソン病の1例2014

    • 著者名/発表者名
      宮本和幸, 田中幸太郎, 田中俊生, 井手亮太, 萩原祥弘, 福田賢一郎, 三宅康史, 有賀徹.
    • 雑誌名

      日本集中治療医学会雑誌

      巻: 22 ページ: 38-41

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ウイルス性腸炎を契機に腸重積となった1例2014

    • 著者名/発表者名
      宮本和幸, 阿部裕, 飯島忠, 田中幸太郎, 三宅康史, 有賀徹
    • 雑誌名

      日本臨床救急医学会雑誌

      巻: 17 ページ: 708-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 観血的動脈圧ラインからのグルコン酸カルシウム持続動注が著効したフッ化水素酸による手指化学熱傷の1例2014

    • 著者名/発表者名
      宮本和幸, 清水真樹子, 田中幸太郎, 峯村純子, 玉造竜郎, 三宅康史, 有賀徹
    • 雑誌名

      中毒研究

      巻: 27 ページ: 343-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ピンクグレープフルーツによる上気道閉塞と下咽頭の鑑別に苦慮した気道緊急の1例2014

    • 著者名/発表者名
      宮本和幸, 田中幸太郎, 門馬秀介, 福田賢一郎, 中村俊介, 田中啓司, 三宅康史, 有賀徹
    • 雑誌名

      日救急医学会関東誌

      巻: 35 ページ: 257-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 診断と治療方針に苦慮したショックを伴う急性肺血栓塞栓症の1例2014

    • 著者名/発表者名
      広瀬優, 宮本和幸, 久次米真吾, 田中幸太郎
    • 雑誌名

      日救急医学会関東誌

      巻: 35 ページ: 359-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PACAP38 suppresses cortical damage in mice with traumatic brain injury by enhancing antioxidant activity.2014

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto K, Tsumuraya T, Ohtaki H, Dohi K, Satoh K, Xu Z, Tanaka S, Murai N, Watanabe J, Sugiyama K, Aruga T, Shioda S.
    • 雑誌名

      J Mol Neurosci

      巻: 54 ページ: 370-9

    • DOI

      10.1007/s12031-014-0309-4

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 胸腔ドレーン挿入による外側胸動脈損傷からの持続出血で止血に難渋した1例2015

    • 著者名/発表者名
      宮本和幸, 橋本香織, 山本大輔, 井手亮太,
    • 学会等名
      第42回日本集中治療医学会総会
    • 発表場所
      ホテル日航・ホテルグランパシフィック LE DAIBA(東京)
    • 年月日
      2015-02-09 – 2015-02-11
  • [学会発表] 急性膵炎を契機に発見された先天性胆道拡張症(Choledochocele)の1例2015

    • 著者名/発表者名
      宮本和幸, 阿部裕, 飯島忠, 三宅康史, 有賀徹
    • 学会等名
      第65日本救急医学会関東地方会
    • 発表場所
      パシフィコ・横浜
    • 年月日
      2015-02-07
  • [学会発表] OS-1, an oral rehydration solution, improves thermoregulation in a mouse heatstroke model2015

    • 著者名/発表者名
      Kazuyuki Miyamoto, Hirokazu Ohtaki, Yasufumi Miyake ,
    • 学会等名
      44th Critical Care Congress
    • 発表場所
      Phenix, Alizona USA
    • 年月日
      2015-01-17 – 2015-01-21
  • [学会発表] マウス熱射病モデルにおける経口補水[水・経口補水液(OS-1)]の有用性について2014

    • 著者名/発表者名
      宮本和幸, 大滝博和, 三宅康史, 塩田清二, 有賀徹
    • 学会等名
      第18回CCM輸液・栄養研究会
    • 発表場所
      経団連会館カンファレンス2階経団連ホール(東京)
    • 年月日
      2014-11-29
  • [学会発表] マウス熱射病モデルにおける経口補水液の検討2014

    • 著者名/発表者名
      宮本和幸, 大滝博和, 海老原直樹, 山本大輔, 川口絢子, 井手亮太, 山下智幸, 橋本香織,田中啓司, 中村俊介 ,三宅康史, 有賀徹
    • 学会等名
      第42回日本救急医学会総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場・福岡サンパレスホテル・ホール(福岡)
    • 年月日
      2014-10-28 – 2014-10-30
  • [学会発表] 観血的動脈圧ラインからの持続動注(グルコン酸カルシウム)が著効したフッ化水素酸による化学熱傷の1例2014

    • 著者名/発表者名
      宮本和幸, 海老原直樹, 山本大輔, 川口絢子, 井手亮太, 橋本香織, 山下智幸, 田中啓司, 中村俊介, 有賀徹
    • 学会等名
      第36回日本中毒学会総会
    • 発表場所
      帝京大学 (東京)
    • 年月日
      2014-07-25 – 2014-07-26
  • [図書] 救急医学2015

    • 著者名/発表者名
      山本大輔, 宮本和幸
    • 総ページ数
      128
    • 出版者
      へるす出版

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公開日: 2016-06-01  

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