頭部外傷では受傷後に発生する活性酸素種、酸化ストレスにより神経傷害増悪することが知られている。本研究ではPACAP38が頭部外傷後の酸化ストレスを制御し神経保護を有するかについて検討をおこなった。結果、PACAP38は頭部外傷後3時間・24時間後において、頭部外傷前と比較して、抗酸化指標(BAP)/酸化ストレス指標ROMsのバランスを有意改善した。また、PACAP38投与群では受傷24時間後の、神経細胞死・酸化ストレスの有意な減少を認めた。さらに、これらの機序として、PACAP38は受傷3時間後の大脳皮質において有意に抗酸化酵素を増加させ、抗酸化力を高め神経保護をおこなっていることが判明した。
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