研究課題/領域番号 |
24791973
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
安彦 友希 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (00470170)
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キーワード | Treponema denticola |
研究概要 |
【目的】 Treponema denticolaの主要な膜画分タンパク質を解析したところ、機能未知のTDE2508(45 kDa)が検出された。そこで本研究では、TDE2508の性状および機能解析を試みた。 【方法】T. denticola ATCC 35405株の菌体破砕物を超遠心後、可溶性、膜画分に分画し、さらに、膜画分を内膜および外膜に分画した。TDE2508はウェスタンブロット法にて検出した。T. denticolaの付着因子であるMspについても同様に行った。TDE2508欠失変異株は、標的遺伝子をエリスロマイシン耐性遺伝子(ermB)に置換して作製した。付着性はポリスチレンプレートおよび歯肉上皮細胞(Ca9-22)を用いて検討した。自己凝集性は菌懸濁液を静置し、濁度(OD600)を経時的に測定した。菌体表面の疎水性はn-ヘキサン分配法を用いた。 【結果】 TDE2508は外膜に局在し、また複合体を形成している可能性が示された。欠失株は、ポリスチレンプレートおよび歯肉上皮細胞への付着性が有意に上昇した。しかし、自己凝集性および疎水性には変化が見られなかった。また、Mspの発現にも変化はみられなかった。 【結論】 TDE2508は付着制御に関与していることが推察された。しかし、TDE2508の菌体表面への露出については不明であり、本タンパク質による付着制御機構については、直接的あるいは間接的かを含めてさらなる検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Treponema denticolaの機能未知の膜画分タンパク質TDE2508は付着抑制に関与することが示唆された。今年度は以上の結果をまとめ、論文発表した(Abiko Y et al. Major Membrane Protein TDE2508 Regulates Adhesive Potency in Treponema denticola. PLoS One. 2014 Feb 21;9(2):e89051. )。 次年度は、これらの結果について学会発表を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究内容を論文発表したのが年度末になってしまったため、今後は論文発表した内容について学会発表等を行い、広く周知していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究内容を論文発表したのが年度末になってしまったため、今後は論文発表した内容について学会発表等を行い、広く周知していきたい。 学会へ参加するための旅費として使用する。
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