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2014 年度 実績報告書

プラーク染色剤を利用した光線力学殺菌療法による新しい歯科疾患予防法・治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24791977
研究機関東北大学

研究代表者

中村 圭祐  東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30431589)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード光線力学療法 / 殺菌 / 水酸化ラジカル / ポリフェノール
研究実績の概要

プラーク染色剤に含まれる色素は光増感作用を有しており、特定波長の光によって励起される。励起された色素が基底状態に戻るときに、活性酸素の一種である一重項酸素が生成される。一重項酸素は強い酸化力を有しており、細菌に作用することで殺菌作用を示す。さらにこれまでの研究でポリフェノール水溶液に対して光照射を行った場合にも殺菌作用が得られることが分かってきている。平成26年度は、プラーク染色剤を用いた光線力学殺菌療法よりも生体安全性が高いと考えられるポリフェノール光照射殺菌法をより詳細に調べた。天然由来のポリフェノール6種類を用いて、グラム陽性菌3種類、グラム陰性菌3種類に対する殺菌効果の比較を行った。その結果、没食子酸、カフェイン酸、クロロゲン酸、プロアントシアニジンが強い殺菌作用を示した。また、グラム陽性・陰性に関わらず殺菌効果が得られることが分かった。さらに、電子スピン共鳴法による分析の結果、一重項酸素の生成はいずれのポリフェノールでも認められず、代わりに水酸化ラジカルが生成していることが分かった。生化学分析の結果、脂質過酸化およびDNAの酸化傷害が殺菌作用の主体であることが示唆された。このように従来の光線力学殺菌療法とは異なるメカニズムで殺菌効果が得られていることから、従来の光線力学殺菌療法との併用により相乗効果が得られることも期待できる。今後バイオフィルムに対する殺菌効果の検証が必要であるが、本研究はポリフェノールに対して光照射を行うことで得られる殺菌作用が、歯科における新しい光線力学殺菌療法となる可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Bactericidal activity and mechanism of photo-irradiated polyphenols against Gram-positive and -negative bacteria2015

    • 著者名/発表者名
      Nakamura K, Ishiyama K, Sheng H, Ikai H, Kanno T, Niwano Y
    • 雑誌名

      J Agric Food Chem

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1021/jf5058588

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Microbicidal activity of artificially generated hydroxyl radicals2015

    • 著者名/発表者名
      Sheng H, Nakamura K ,Kanno T, Sasak K, Niwano Y
    • 雑誌名

      Interface Oral Health Science 2014

      巻: - ページ: 203-216

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 活性酸素2014

    • 著者名/発表者名
      中村圭祐、菅野太郎、猪飼紘代、庭野吉己
    • 学会等名
      第41回日本防菌防黴学会年次大会
    • 発表場所
      品川(東京)
    • 年月日
      2014-09-24 – 2014-09-25
    • 招待講演
  • [学会発表] Comparison of bactericidal activity of photo-irradiated polyphenols2014

    • 著者名/発表者名
      Nakamura K, Ishiyama K, Ikai H, Kanno T, Niwano Y
    • 学会等名
      The XXVIIth International Conference on Polyphenols
    • 発表場所
      名古屋(愛知)
    • 年月日
      2014-09-02 – 2014-09-06

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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