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2012 年度 実施状況報告書

ファイブロサイト(fibrocyte)に注目した顎関節病変発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24791981
研究種目

若手研究(B)

研究機関岩手医科大学

研究代表者

衣斐 美歩  岩手医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (30609665)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードfibrocyte / 線維性疾患 / 顎関節
研究概要

近年腎臓や肺において骨髄由来の細胞が線維化に関わると報告されるなか、末梢組織の線維化にも十分に関与している可能性があるが、それを確かめるモデル実験系が存在しなかった。そこで今回、非常に強い蛍光を発する赤色蛍光色素強発現トランスジェニックマウスから骨髄細胞を採取し、顎関節部に炎症性線維化病変を惹起させた非蛍光マウスに移植後、そのホーミングの様子をリアルタイム蛍光イメージングすることで顎関節における骨髄由来細胞の関与とその分子メカニズムについて明らかにすることを目的とする。
平成24年度は「赤色蛍光強発現トランスジェニックマウスからの細胞採取とfluorescence activated cell sorting (FACS)を用いたfibrocyteの単離・培養」を行った。赤色蛍光強発現マウスの骨髄、末梢血および脾臓から細胞成分を採取した。骨髄および末梢血に関しては既に報告されたプロトコール(Bucala R et al. 1994, Mol Med, Chesney J et al. 1997, Proc Natl Acad Sci USA) に従いFicoll-Paque PREMIUM (GEヘルスケア・ジャパン株式会社) を加えて遠心力により密度勾配媒体中に沈降させる方法で血球系細胞を分離した。分離した細胞をフィブロネクチンコートディッシュに播種し培養後、非接着細胞を除去した。ディッシュ底面に接着した細胞をCD45およびI型コラーゲン抗体にて免疫染色を行ったところ、両方の抗体で染色される細胞を観察できた。一方、脾臓細胞に関しては被膜内の細胞を採取後、溶血処理を行い残った細胞を用いた。これらの細胞からanti-CD45およびanti-Gr1を用いてFACSによりfibrocyteになりうる細胞(fibrocyte-like cells)を単離した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の目標である「赤色蛍光強発現トランスジェニックマウスからの細胞採取とfluorescence activated cell sorting (FACS)を用いたfibrocyteの単離・培養」についてはおおむね達成できている。研究を立案した当初は、骨髄または末梢血より細胞を単離することを計画していたが、今後ヌードマウスを使用して生体内でのホーミング機構を観察するためにはある程度の細胞数の確保が必要となり、とくにマウスからの採取となるとこれらの方法では必要数を確保するのが難しいことが判明した。そこで近年報告のある脾臓から細胞を採取することで対応することができた。現在までにFACSでの細胞分離も軌道にのってきており、今後はより精度の高い細胞の採取を目指している。

今後の研究の推進方策

従来の研究計画に沿って、これまでに確立した方法で単離・培養した細胞を顎関節炎発症マウスに移植し、その動向をin vivoリアルタイムあるいは顎関節炎症発症部の病理切片上で観察する。さらに移植した細胞が顎関節の線維化に関わるメカニズムについて、ホーミング後の細胞を調査することにより明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ファイブロサイトに注目した口腔領域疾患発症機構の解明

    • 著者名/発表者名
      衣斐美歩
    • 学会等名
      第85回日本生化学会大会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡

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公開日: 2014-07-24  

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