近年、神経系による骨代謝制御機構が明らかにされつつある。一方で、交感神経、感覚神経と骨芽細胞間のシグナル伝達については不明な点が多い。本研究ではin vitro共培養系を用いて、神経-骨芽細胞間の直接的な相互シグナル伝達の有無およびそのメカニズムを検討した。本研究により得られた結果から、交感神経はノルアドレナリンを、感覚神経はグルタミン酸を介して骨芽細胞に直接的なシグナル伝達を行う可能性が示された。また機械刺激やbradykinin刺激によって骨芽細胞からATPやグルタミン酸が放出され、ATPは神経細胞への求心性伝達に、グルタミン酸は自己に作用し、自己のCaシグナルを担う可能性が示された。
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