研究概要 |
活性酸素種が様々な疾患と関連しているが、近年抗酸化剤がこれら疾患の予防に効果的に作用することが期待されている。本研究では抗酸化剤の交感神経誘導性の骨量減少予防効果について用量反応関係を調べた。 方法:方法C57BL6/Jマウスにイソプレナリン5μg/g/dairyを2週間投与し骨量減少を誘導する。その際5種類の異なる濃度のαリポ酸(0, 0.25, 2.5, 25, 50 mg/g/daiary)を投与し、その後骨形態計測、組織学的解析を行った。 結果:μCT解析の結果、イソプレナリン単独投与で骨量、骨量数の減少が見られた。αリポ酸0.025mg/g/daiaryでは骨量、骨量数の回復は確認されなかったが、αリポ酸25, 50mg/g/daiaryで骨量、骨量数の減少が抑制された。αリポ酸2.5mg/g/daiaryは骨量の減少は抑制しなかったが、骨量数の減少は抑制した。さらにαリポ酸25mg/g/daiary投与群と磯プレナ林単独投与群において組織学的解析を行ったところ、イソプレナリン単独投与で破骨細胞数の増加が見られたが、αリポ酸投与群破骨細胞数の増加が抑制された。以上の結果から、αリポ酸2.5mg/g/daiaryは破骨細胞形成を抑制することで、骨量の減少を抑制する可能性が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、in vivoにおいて、交感神経β作動薬イソプレナリン投与による骨粗鬆症モデルにおける抗酸化剤αリポ酸の用量反応関係が明らかとなった。そして、骨量減少予防効果は破骨細胞増加を抑制することで生じている可能性が示された。この結果の一部は"β-Adrenergic signaling stimulates osteoclastogenesis via reactive oxygen species"Kondo H, Takeuchi S, Togari A.(Am J Physiol Endocrinol Metab. 2013 Mar 1;304(5):E507-15)にまとめられている。
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