胎生期の不良な栄養状態により、生まれてきた仔ラットに味覚障害が生じることが報告されていることから、胎生期は味覚にとって重要な時期である。味覚伝導路の一次中継核である孤束核を構成する細胞は胎生11日目~14日目の間に誕生することが報告されているが、この時期に求心性神経線維の伸長も進み、さらに細胞が細胞誕生の場所から移動を開始することが明らかになり、孤束核における神経回路の初期形成に重要な時期であることが示唆された。移動した細胞は孤束核を形成するが、細胞誕生の時期によって孤束核における分布部位が異なることが明らかになり、細胞誕生の時期が孤束核における分布部位を決定している可能性が示唆された。
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