In vitroにおける各種細胞からのIL-33産生メカニズムの解析および、LPS誘導性マウス歯周炎モデルにおいてIL-33欠損マウスを用いてIL-33の歯周炎病態誘導における役割の解析を行った。腹腔マクロファージおよびマウス口腔扁平上皮癌細胞株NRS1細胞をE.coli由来LPSによって刺激を行いIL-33発現をmRNAおよびタンパクレベルで解析した。LPS刺激によって腹腔マクロファージおよびマウス口腔扁平上皮癌細胞株NRS1細胞はともにIL-33発現の増強を認めた。LPS刺激によって腹腔マクロファージおよびマウス口腔扁平上皮癌細胞株NRS1細胞では共にIL-33のタンパクレベルの発現が増強されたが、培養上清中にIL-33は検出されなかった。しかしながら、これら細胞にネクローシスを誘導すると培養上清中にIL-33が検出できた。さらに、培養上清中のIL-33濃度はネクローシス誘導前にLPSを行うことにより増強された。野生型マウスへのLPSの歯肉内注射によって歯肉組織におけるIL-33mRNA発現の増強がIL-1やTNFなどの炎症性サイトカインmRNA発現の増強とともに認められた。野生型マウスと比較してIL-33欠損マウスではLPS歯肉内注射による歯肉組織中のIL-1やTNF発現が高かった。これらの結果から歯周病病態誘導過程においてIL-33はマクロファージや上皮細胞から産生され、その病態誘導に保護的に関与している可能性が示唆された。
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