インフルエンザウイルスのHAの構造、およびその糖鎖修飾に関しては不明な点が多い。本研究では、構造計算科学の手法を駆使し、隣接する2個のアスパラギン残基(N1452-N1462)がHA2鎖の根本部分に保存されていることを見出した。また、HA2の 882部位のアミノ酸残基の方向が、HA1の受容体結合部位の構造に影響を及ぼすこと、H7N9ウイルスのアミノ酸残基とHA1との関連性も示すことができた。さらに、HAのN-glycosylationについても検討した後、植物にてHAキメラタンパクを作成すると共に、マウスを用いた実験でその免疫活性の確認を行い、新規ワクチン開発の基盤を提示することができた。
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