研究概要 |
本研究はEGFR-1からのシグナル伝達に深く関与するKRASの遺伝子変異の状況の検討を、Loop-mediated isothermal amplification (LAMP)法を応用し、迅速で簡便な検査法を開発することである。KRASの変異は大腸癌の50%、膵臓癌の90%および肺腺癌の30%に検出され、その多くはcodon 12および13番目のpoint mutationである。 本研究ではKRAS codon 12, 13の変異を迅速に検出できるシステムを開発した。本システムはKRASのexon 2領域内に設定したLAMPプライマー一式(5種)とlock primerを組み合わせることにより変異型KRASを検出する方法である。 同部位の遺伝子変異を生じている肺癌細胞株(NCI-H1573)および大腸癌細胞株(T84)を培養し、抽出されたgenomic DNAをコントロールとしてLAMP法を行ったところ、20分程度で検出が可能であった。 さらに気管支肺胞洗浄液への応用を前提とし、培養細胞そのものを反応液に加えて検討したところ、40分程度で変異が検出可能であった。
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