研究課題
骨粗鬆症は高齢者のQOLを低下させるのみならず、近年の医療費増加を招く要因ともなっており、骨粗鬆症を未然に予防することの重要性は高まっている。効果的な予防・診断には、USPSTFのガイドラインにあるように適切なスクリーニングが推奨されるが、ハイリスク女性が2重エネルギーX線吸収法(DXA)などの骨密度測定検査を受ける機会はそれほど多くない。今回我々は、 歯科領域から派生した画像工学的技術を応用して、骨折リスクと皮膚皮溝構造との関連を明らかにし、世界に先駆けて、皮溝構造に基づく簡便で高精度な骨粗鬆症のスクリーニング法を確立することを目的として研究を実行した。前年度から引き続き、皮溝構造から骨強度の劣化を推測する新手法の精度向上を目指して、被験者の追加を行った。今年度は58名のボランティア女性を対象として、皮溝構造解析と骨密度測定、骨構造解析を行った。その結果、皮溝構造解析結果と骨構造解析結果(Sk.Ar)の間にはR=0.46(P<0.05)の相関が認められた。この結果は前年度の研究結果として得られた相関係数(R=0.35)よりも精度の改善が認められたことを示している。この要因としては、被験者が増えたことと、皮溝構造との関連性について、骨構造解析の結果の中でも骨格面積(Sk.Ar)の関与が最も大きいことが明らかとなったためである。一方で、骨密度との相関は前年度の結果から大きな改善は認めなかった。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Oral Radiol
巻: 30巻 ページ: 45-52
10.1007/s11282-013-0143-3
Int J Pharm
巻: 461巻 ページ: 157-62
10.1016/j.ijpharm.2013.11.046
http://www.labs.kdu.ac.jp/radiol/skin.html