研究概要 |
1)各種デュアルキュア型レジンセメントの長石系マシーナブルセラミック介在下における硬化度の検討 厚さ0.5,1.0,1.5,2.0,2.5および3.0 mmのCAD/CAM用マシーナブルセラミック材を介し、光重合させた7種のデュアルキュア型レジンセメントの硬さを検討した.7種中6種のセメントでセラミック板介在下において硬化度が低下すること,および照射時間の延長により硬化度の低下を回避できることが示された. 2)各種CAD/CAM用マシーナブルブロックの厚さが光透過性に与える影響 長石、リューサイト、コンポジットレジン、ジルコニアのA2およびA3シェードを使用し、厚さ1.0、2.0および3.0 mmの板状試片を介したハロゲン照射器およびLED照射器透過光の光強度を比較検討した。CAD/CAMマシーナブルブロック試片の介在により光強度は低下し、減弱度はブロックの種類および厚さに影響を受けることが示された。光硬化型セメントによる修復物の接着に際し、修復物の厚さや組成に応じた重合効率の相違に留意する必要があると考えられる。 3)CAD/CAM用修復材料の組成と厚さがデュアルキュア型レジンセメントの硬化度に与える影響 長石, リューサイト, コンポジットレジン,ジルコニアから厚さの異なる板状試片の介在下あるいは非介在下(コントロール群)で光照射を行い、ヌープ硬さを計測した.板状試片介在下のレジンセメントの硬化度はブロックの組成および厚さに有意な影響を受け (p<0.05),長石およびリューサイトでは厚さ3.0mmで,ジルコニアおよびコンポジットレジンでは厚さ1.0mm以上でコントロール群と比較して硬化度が有意に低下した(p<0.01).デュアルキュア型レジンセメントによるCAD/CAM修復物の接着に際し, 修復物の厚さや組成による重合効率の相違に留意する必要があると考えられた.
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