研究概要 |
24年度に行ったブルーライト光源にハロゲン (QTH) と発光ダイオード (LED) を用いた歯肉線維芽細胞 (HGFs) への影響を MTS assayによる細胞増殖活性,透過型電子顕微鏡による形態学的検討および CellROX(R) にて生化学的活性酸素種の検討を行い,HGFs への青色光照射による ROS 誘導による細胞増殖活性の抑制が示唆される結果について Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biology へ論文執筆投稿し公表された。 次に,in vivo における検討を行った。LED を用い,ラット歯肉口蓋組織に対する酸化ストレスの検討を行った。酸化ストレスの指標の一つである脂質過酸化の程度を生化学的手法 TBARS assay により検討を行い,歯肉口蓋組織に脂質過酸化の亢進が認められた。また,コラーゲンの検討も行ったが,15分の青色光照射においては変化が認められなかった。青色光による口腔領域の影響は細胞レベルのみでなく組織レベルにおいても歯肉組織において酸化ストレスによる影響が認められたがコラーゲンレベルへの影響は認められなかった。 細胞に対する青色光照射にて酸化ストレスが青色光により誘導され,細胞増殖活性を抑制することが見出されただけでなく、ラット歯肉口蓋においても酸化ストレスレベルの亢進が認められ,細胞レベルのみならず生体レベルにおいても青色光は酸化ストレスの影響を引き起こすことが示唆され,この青色光の影響はNアセチルシステイン(NAC)にて抑制されたことより NAC は歯科診療時の青色光照射による口腔組織に対する防御の可能性が認められ今後の歯科臨床に於いて新たな防御法の確立に繋がることが示唆された。
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