本研究では義歯装着困難の解決、口腔内真菌感染症、義歯性口内炎、口腔乾燥症の予防、治療を可能とする生薬植物由来成分を配合する長期作用型抗菌性口腔ケア剤の開発を目的とした。本研究では組成成分が口腔ケア剤の理工学的性質および血管新生に及ぼす影響について検討を行った。その結果、組成成分の組み合わせにより、粘弾性の観点から口腔ケア剤の耐久性の改良が可能であり、材料の組成成分は血管新生に有意に影響を与えることが示唆された.以上のことから、生薬植物由来有効成分配合口腔ケア剤の作製が可能であり、義歯装着困難の解決、義歯性口内炎の改善、治療が可能となり、高齢者の口腔内QOLの向上に有意に働く可能性が示唆された。
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