研究課題/領域番号 |
24792061
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
駒田 亘 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (10447493)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 支台築造 / グラスファイバーポスト / ジルコニア / ひずみゲージ / 冠橋義歯 |
研究概要 |
臼歯部4ユニットジルコニアブリッジに荷重をかけた際,どのような応力が生じているのかをひずみゲージ法を用いて解析し,支台築造の種類によるブリッジフレームおよび歯根表面の挙動を検討した. レジン支台築造をRC群,鋳造支台築造をMC群とした.ジルコニアブリッジフレームを作製し,歯根及びフレーム表面の大臼歯近心舌側(ML)近心頬側(MB),小臼歯遠心頬側(PB)遠心舌側(PL)にロゼッタゲージを貼付し,200Nの荷重を加えた際のひずみ量を測定した.小臼歯,ポンティック,大臼歯を荷重したものをCP,CD,CMとした. 歯根,フレームのひずみは共にCPおよびCDがCMと比較して大きな値を示し,またCDはCPと比較し大きな値を示した.CPは,歯根最大主ひずみのMLとMB,フレーム最大主ひずみのPBとPL,歯根最小主ひずみの全てのゲージ位置でRC群がMC群と比較し大きな値を示した.CDは歯根最大主ひずみ,フレーム最大主ひずみ,歯根最小主ひずみのすべてのゲージ位置と,フレーム最小主ひずみのMBとPBにおいて,CMは,歯根最大主ひずみ,歯根最小主ひずみの全てのゲージ位置と,フレーム最大主ひずみ,フレーム最小主ひずみのMLとMBにおいてRC群がMC群と比較して大きな値を示した.荷重の部位に関わらず,歯根のひずみはPB及びPLはML及びMBと比較して有意に大きな値を示したが,フレームのひずみは荷重部位下に貼付されたゲージが非荷重部位下のゲージに比べて,大きな値を示し,CDの最大主ひずみはPLがMBに比べて大きな値を示し,他部位ではほぼ同じ値を示した. レジン支台築造を行った場合,鋳造支台築造を行った場合よりも表面ひずみが小臼歯,大臼歯ともに増加する傾向にあった.ジルコニアブリッジで補綴する際,レジン支台築造より鋳造支台築造の方が歯根およびフレーム表面のひずみを抑えることが可能であると示唆された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は当初の計画に従い,コンポジットレジン製の人工歯を用い研究を進めた.築造様式はグラスファイバー併用レジン支台築造法と白金加金合金を用いた鋳造支台築造法との二種で行う事が出来ている.ジルコニアフレームに関しては計画ではナノジルコニアを用いる予定であったが,フレーム設計の簡便性,操作性を考慮しイットリア系ジルコニアを用いる事に変更した. ブリッジフレーム表面のひずみに関する報告は学会発表で行っており,歯根表面のひずみに関しては次年度に報告する予定である. 研究全体の遂行状態はおおむね順調である.
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究で得られた結果をまとめ,引き続き関連学会で報告する予定である.ジルコニアフレームブリッジに加え,陶材焼付用合金ブリッジフレームでのフレーム表面ひずみ,歯根表面ひずみの測定,検討を行っていく予定である. ヒト抜去歯が入手困難な状況を踏まえ,引き続きコンポジットレジン製人工歯を使用していく予定である.
|
次年度の研究費の使用計画 |
グラスファイバーポスト,築造用コンポジットレジン,ジルコニアブロック,白金加金合金等消耗品の購入費にあてる予定である.
|